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108号原発事故避難者通信20220323 東電原発事故後11年②

東電原発事故後11年②

―政府が履行せず市民を守ることを放棄した法律とは― ―放射線被曝で多大な犠牲が出ていることが隠蔽されているー

   つなごう命の会 矢ヶ﨑克馬


  東電原発事故後11年①はこちら→ https://bit.ly/36FjRAq

1.はじめに

東電原発事故から11年が過ぎました。前回107号では、放射線被曝を巡る問題を取り上げ、世界では放射線の最先端の調査結果を取り入れ被爆規制値を厳しくしていく「本流」があるのに対して,放射線被曝を如何にして市民に受け入れさせようとするかとい「逆流」(国際原子力ロビー:IAEA. ICRP,UNSCEAR等)があること、さらに東電福一原子力発電所事故に対しては,逆流が示した「事故が生じたときには100mSvまで被曝させても良い」という逆流の最悪の路線に乗って処理されたことを述べました。

そして「東電事故による犠牲者は無い」という虚偽を構築しました。これは歴史修正主義よりもさらに酷い,事実抹殺主義です。これにより規制値をさらに緩めるという本格的な市民の人権切り捨ての施策が進もうとしていることを述べました。

法律が無視され、原子力ロビーに都合の良い基準でコントロールされた

政府が法令を無視することはファシズムです。

東電福一原子力発電所事故に対しては,逆流が示した路線に従って民主党政府は20mSv/年で規制しました。原子力基本法以下の電離放射線障害防止規則(電離則)等で明示されている「一般市民の被曝線量は年間1mSv」と法律で規制される住民保護は何の断りも無く無視されたのです。

憲法改悪論議で「緊急事態条項」が云々される時勢ですが、ナチスドイツの例を見るまでもなく,最悪のケースが日本で11年前に住民の基本的人権を奪う施策として実施されたことに注目しなければなりません。 ここで、法令での1mSvは以下の様なものです。

(法令) 実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則、労働安全衛生法、電離放射線障害防止規則(電離則)、等「実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則」の規定に基づく線量限度等を定める告示によれば、「周辺監視区域」の外側では「一年間につき一ミリシーベルト(1mSv)」を越えてはならにことになっています。

(周辺監視区域) 「周辺監視区域」とは、「管理区域の周辺の区域であって、当該区域(「周辺監視区域」)の外側のいかなる場所においてもその場所における線量が経済産業大臣の定める線量限度を超えるおそれのないものをいう(規則第 1 条)。」 その線量限度は(実効線量として)「一年間につき一ミリシーベルト(1mSv)」と定められている(告示第 3 条)。

周辺監視区域とは管理区域 の外側であって、所持している核燃料物質から出てくる放射線による被ばく線量 が、1年間で1mSvを超えないように設定されている区域となります。 法令により核燃料物質使用者は、一般公衆に対して、1年間で1mSvを超える被ばくを させてはならないと規制されています。そのため周辺監視区域は、自らが立ち入りの管理ができる事業所の敷地内に設定するとともに、柵等によって制限することが求められます。 なお、周辺監視区域に24時間、365日、人が滞在し続けた場合の被ばく線量が、1m Svを超えるおそれのあるものの、敷地の関係で区域を広げられない場合には、線源 に対し追加の遮蔽を行う必要があります(原子力規制委員会)。


主権国ウクライナから
ロシアを即時撤退させるために
 事実をありのままに認識することは民主主義の土台である
国際民主法律家協会(IADL)の声明
「国際社会に対し、平和への道を見出すことを要求する」をご覧ください
https://www.jalisa.info/post/20220308
即刻の侵略行為の停止をさせるために分析と提案を行っています。
国連憲章違反のNATOと米国の約束違反の挑発行動(東進)とネオナチ極右組織を利用して民主的に選ばれた政権の転覆(ユーロマイダン)支援等々を確認した上で,「制裁は外交と違う」「外交は紛争を平和的に解決することを当事者に求めるものである」「一方的な強制措置は違法であるだけでなく、状況を悪化させ、最も重要なことは、最終的には現場の民間人の生活と福祉に影響を与えることになる」と述べています。是非ご一読を!
 
我々は大日本帝国「となりぐみ」になってはならない
 
主権無き攻撃的日米軍事同盟下の,
改憲・緊急事態条項・米軍基地建設・南西諸島ミサイル配備はNO/NO/NOです。

2.死亡率調査

厚労省「人口動態調査」から数値データを収集し,まとめ、グラフ化する作業を進めています。今回は特に「年令調整死亡率」と「年齢別男女別死亡統計」に集中しました。

(人口調整死亡率)

まず人口調整死亡率の研究結果を述べます。

年々の死亡者を人口で除した死亡率は粗死亡率と呼ばれます。

年々の死亡率を比較しようとするとき問題点は,年が異なれば年齢構成が変わっていることです。少子高齢化といわれるように老齢人口が増えますと当然死亡率は上昇します。これは年々の死亡率を同じ基準で客観的に比較することを妨げています。そこで年齢構成をある年の構成に固定して比較したものを「年令調整死亡率」といいます。ここで取り扱うデータは1985年の人口構成で基準化(年令調整)されています。

調査結果の特徴は以下の様です。

(1)人口調整死亡率での2011年以降の死亡異常増

①(2011以降死亡増加が認められる死因) 死亡総数、悪性腫瘍、心疾患除高血圧、脳血管疾患、老衰、喘息

②(2014以降死亡増加が認められる死因) 結核、(交通事故)

③(2017年以降死亡増加が認められる死因) 肝疾患、気管支炎肺気腫、高血圧、

死亡率は老衰を除いて全て男性が高い。2011以降の異常増は老衰を除いて女性が多い(男女比(女/男)で上にずれる)。

(2)男女別年齢別死亡率での2011年以降の異常増加

大きく括ると,19才以下の若年層と65才以上の老年層が2011以降死亡が増加し、20~49才の青年~壮年層が死亡減少していることです。

もし2011年以降の死亡変化の主原因を放射線被曝に置くと仮定すると,体力/免疫力に優れた青年~壮年層にホルミシス効果が現れ、放射線感受性の大きな若年層と老年層に犠牲者が多くでたものと判断できます。

①40才以上の年令では2011年以降の死亡比率は女性が男性より大きい。

②2011年の増加が認められなかったのは,45~49(女)、 50~54(男女),55~59(女), 70~74(男女), 75~79才(女)。

③2012年以降死亡率・死亡数が増加したのは、0~4(女/2016以降),5~9(男)、10~14(男女)、15~19(男)、50~54(男)、60~64(男女)、65~698男女)、70~74才(女2012~、男2015~)、80~84(女)、85~89(男女)、90~94(男女)。

④2012年以降も変化が無かったのは45~49(女)、50~54(女)、55~59(女)。 ⑤2012年以降減少したのは,0~4(男)、5~9(女)、15~19(女)、20~24(男女)、25~29(男女)、30~34(男女)、35~39(男女)、40~44(男女)、45~49(男)、55~59(男)、80~84(男)、減少

(3)放射線被曝による死亡の不明確さと原子力ロビーによる隠蔽

地震津波で犠牲になった方は非常に明瞭であるのに対して放射線被曝で斃れたという判定はほとんど臨床的には無きに等しい状態です。ですから、11周年でも追悼は地震津波の犠牲者に限られて報道されました。ここには亡くなり方の明瞭性の問題が上記の様にあることには間違いないところですが、国際原子力ロビーの「知られざる核戦争」の事実隠蔽態勢の影響が大きいのです。

事実、1996年IAEA会議を経て,ICRP2007年勧告に「今までは1mSv/年で規制してきたが、事故が生じた場合は,大金を使っての古典的対応(被曝線量を減らす)ことはせずに高汚染地に住民を居住させ続ける」という核産業の被曝コントロール政策が確定し,その方針の下に山下俊一氏等が素早く(原発が爆発してわずか4日目に「福島県放射能健康リスク管理アドバイザー」の委嘱を受け承諾している)住民への鎮撫/宣撫工作に走り始めたことは今や衆目の一致するところです。曰く「100ミリシーベルト以下の被曝被害の実例無し」、「ニコニコしていれば放射能は通り過ぎていく,動物実験でも明らかだ」云々。政府でさえ、セシウム137で「ヒロシマ原発の167倍」という放射能量で被曝犠牲者が出ないはずはありません。筆者の調査によると地震津波の犠牲者の10倍の規模で犠牲者が出ています。

前回報告しましたが、20mSvでコントロールした東電事故で、被爆被害は皆無でした」という『世界観』が原子力ムラにより世界を覆い尽くして、被曝管理規制が大幅に緩められようとしている危険が迫っています。

『事実をありのままに認識することは民主主義の土台である』。放射線被曝結果の概略をお伝えいたします。

―健康被害の実情を沢山のグラフで示します。添付ファイルをどうぞご覧ください




 

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