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第136号避難者通信―東電事故13年/真実、人権、健康被害から振り返る

第136号避難者通信―東電事故13年  真実、人権、健康被害から振り返る

 皆々様 お元気でお過ごしでいらっしゃいますか?

春遠からじ。日本も世界も多難な時代です。 

くれぐれもご自愛ください。

第62回 つなごう命の会定例学習会

3月16日(土)16:00~約2時間

東電事故13年を振り返る

 

ZOOM URL パスワード等

https://us04web.zoom.us/j/7718813361?pwd=UllnS21xQWRYOXRLNlZKNFRxN08xQT09

ミーティングID: 771 881 3361

パスコード: D8R2Lt

 

ご参加予定の方は必ず事前に<phoenix.pmygmail.com>までご連絡ください。(Ⓐを@にご変更ください)

 

次回63回予告

5月18日(土)16:00~

ICRPに変わる「防護体系」/トリチウムの物理的危険

 

東電事故13年  真実、人権、健康被害から振り返る

(1)   最重要情報の隠蔽:

メルトダウンは地震動による細管破断から始った

マグニチュード9.1、震度7(宮城県栗原市)を記録し、地震(発生は14:46)から約1時間後(東電福一に襲来したのは15:37)に津波が襲来した(痕跡高(建物や樹木などに残っていた津波の痕跡から求めた高さ)14~16m)。

津波により全電源が喪失し、1~3号機がメルトダウンに至ったとされるが、1号機ではメルトダウンの原因は地震動による細管破断であると結論される(木村俊雄)。通常は全電源が喪失しても冷却水の「自然循環」が冷却機能を保つ。1号機では、炉心の冷却水循環モニターの細管が破断して、地震後1分30秒で自然循環が止まった。自然循環が無くなると冷却水が全蒸発しメルトダウンが生じる。2号機3号機でも自然循環が無くなった。

津波に対しては防護壁を高くするなどで対処できるが、地震動に対しては、配管の肉厚・材料の強度、接合の強度などあらゆる部品の強化が求められる。原発の安全基準が根本的に異なり、必要な経費も大幅に違ってくる。元々、原発の耐震設計は住宅の耐震度より遙かに緩いことが報告されている。 なお、2号機はあってはならない圧力容器破損で大爆発を回避できた。4号機の燃料冷却プールは偶然の炉心プールの隔壁破損で水が流入し大爆発の危機を免れた。

福一事故で公式にメルトダウンが発表されたのは何と2ヶ月も後のことであった(5月24日)。

重要情報は隠蔽され「津波安全神話」が作られた。地震国日本での原発は全面禁止以外にはあり得ない。

(2)基本的人権・法治国家から見た東電事故処理―国は住民に「被曝せよ」と迫ったー

①未必の故意―他の公害等とは真逆の『積極的健康危害物質の摂取誘導(食べて応援)』

放射線被曝は紛れもなく命に対する危害因子である。「危害因子の積極的摂取」を意味する「食べて応援」は最大の「知られざる核戦争」(被害を予測しながらの被曝誘導)である。戦争の惨禍はもっぱら住民に掛かる。

<1>『積極的健康危害物質の摂取』は他のいかなる健康破壊有毒物質公害(有機水銀、重金属毒素、PFOS等々)にはあり得ない。原子力産業特有の未必の殺意である。

<2>「食材の選択」は基本的人権の日常的な重要要素である。「風評被害」での食材の選択権を妨害することは反人権そのものである。

国と“専門家”は事態を安上がりに収拾しようとして、虚言を吐き、住民に被曝を強制する。

何という優しさだろう、日本の人々は!「自分ができる応援は『食べて応援』なら直ぐできる」「被災者をとにかく励まし応援しよう」という心でみんな応援した。本稿(5)現れた健康被害 で明らかにされるような事故後9年間で死亡者の異常増加が63万人という巨大な被害だ(厚労省人口動態調査より)。もちろん高汚染地帯の居住者は「部落に何とお葬式の多いことか!」という状態が続いた。

生き残った私たちはこれを直視することが困難な程だ。悲しみと憤りを覚えずにいられない。

日本政府は、善意の市民を生存の危機に陥れ、多大な犠牲者を出したことを率直に詫び、二度と再び、この様な虚言を吐いて棄民することをなしてはならない。法治国家の原点に戻ることだ。

 

②チェルノブイリと東電事故の人権の差

チェルノブイリ法前文には「基本的人権の擁護」が明記される。

年間1mSv~5mSv/年(外部被曝線量と内部被曝線量の合計)の汚染地域は住民の意志に基づく「移住の権利」。5mSv/年以上の地域は「居住禁止」。自主避難者と強制避難者は全く同等に扱われた。

住民本位の権利に基づいた措置は日本では一切なかった。

日本では被曝限度20 mSv/年(外部被曝線量だけ。チェルノブイリの内部被曝を加味した線量表示では34 mSv/年)が適用された。 20mSv/年まで(帰還艱難区域は50mSv/年(チェルノブイリ方式では83 mSv/年まで)の汚染地域にいる人は居住させ続けられた。

原子力災害防止特措法に基づけば、20mSv/年の適用には「適用区域」を明示することが義務づけられているにも拘わらず、区域の指定はしなかった(後の国会で質問を通じて明示された)。 適用地域以外は、法治国家ならば、1mSv/年が適用されるべきであったが、その適用は排除された。既存法による人権保護は切り捨てられた。チェルノブイリと日本の人権の相違である。

③「1mSv/年」が日本の一般市民防護基準である日本の法律に於ける公衆防護基準は「1mSv/年」が厳然として存在する。

<1>周辺監視区域等に於ける環境線量規制は全て「1mSv/年」であり、「公衆防護:1mSv/年」を元としている。

<2>国際条約(原子力の安全に関する条約等)に対する日本政府報告は全て「公衆防護は1mSv/年」を明言している。国際条約は国内法に優先する。東電事故後日本政府は、「公衆防護は1mSv/年」の表記を消し去った。

 

(3)如何に人権が切り捨てられたか?棄民施策を列挙すると枚挙に暇がない。

①  噴出放射能は、政府発表はチェルノブイリの7分の1とされるが実態は2倍ほどと推察される(ストールら、山田耕作ら)。

②  法による1mSv/年の被曝保護基準が無視され、20 mSv/年が適用された。

③  チェルノブイリで居住を禁止された5mSv/年以上の汚染区域に、日本では120万ほどの住民が居住・生産する。この居住者には「作付けした者に限り、前年の収入に比して減少した分だけ」公的補償が与えられ、生産する以外には喰っていけなかった。放射能汚染生産物は「食べて応援」で日本中の住民が内部被曝の2次的被曝被害を受けた。深刻な「日本独特の放射線被害」模様が展開した。

④  20 mSv/年決定の違法性:民主党内閣は原子力災害対策本部の正式会議にも国会にもかけずに、文科省が「暫定的目安として1~20mSv/年」を福島県に対して「行政通知」として発出した。

⑤  放射性物質汚染対処特措法に基づく制限基準が8000Bq/kgと、従来の100Bq/kgの80倍にされた。

⑥  避難住民に対して「体表面等に付着した放射性物質の除染基準」:「原子力災害対策指針」の緊急スクリーニングの国際基準(OIL4:Operational Intervention Level4)を福島県は遵守しなかった。 OIL4基準は、事故直後では4万cpm(120Bq/cm2)であるが、福島県は10万cpmを基準とした (cpmはcounts per minute: 毎分の放射線カウント数)。放射能汚染現場での住民の被曝保護基準を2.5倍緩和したのである。

⑦  緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)のデータは不開示。住民に何も知らせず高汚染地域に留まらせた。

⑧  高線量地域住民へ安定ヨウ素剤を供与しなかった。

⑨  環境汚染線量値が法律的適用の60%に引き下げられた。法律では外部線量に関してはその地点の環境線量すべてが吸収線量となる事と定めている。政府は生活上の実際に受ける被曝量に評価視点を下げた。生活時間を8時間屋外にいて、16時間屋内にいると仮定。屋内では外部被曝の40%の被曝量と仮定する。この仮定で実際の60%値を算出させた。

⑩  モニタリングポストが設置され「公的記録」とされた。モニタリングポストの表示は約半分しかなく(矢ヶ﨑ら測定)、住民に対する放射線防護はこれによっても約半分に切り捨てられた。

⑪  市民の命を守るべき医師団(福島県立医大その他)は甲状腺検査の具体的データを被験者に渡さなかった。甲状腺学会は「甲状腺セカンドオピニオンは受け付けるな」という会長通知を出した(会長:山下俊一)。事故後健康不良をきたした人が「放射線被曝では?」と懸念すると、診療医が直ちに(時には大声を上げて)否定することが日本中の診察現場で大量に現れた。

⑫  放射線被曝を科学的に医療に取り入れるのでは無く、影響があることを市民の思考から排除する重松(山下)式宣撫が行われた。「放射線の影響は、実はニコニコ笑っている人にはきません。くよくよしている人にきます。」(山下俊一(福島県放射線健康リスク管理アドバイザー):いわき市、福島市講演会)。「永久的に汚染された地域に住民が住み続けることを前提に、心理学的な状況にも責任を持つ」IAEAの「知られざる核戦争」の心理作戦が虚言として実施され住民を蝕んだ。IAEAは核不拡散条約(核兵器禁止条約適用を阻止している)と原発推進の要となる機関である。

⑬  あらゆる健康被害(甲状腺がん、厚労省人口動態調査データ等)が専門機関・原子力ロビーによって隠蔽された。

⑭ 原子力緊急事態宣言と緊急対応は、組織、手順及び内容において「原子力災害対策特措法」に基づいて行われなかった。現地対策本部には立地自治体(大熊町、双葉町、富岡町、浪江町、広野町、楢葉町)の長が正式メンバーとして位置づけられ、それぞれの機能を受け持つ諸機能担当班に所属することになっていた。しかし立地町は排除され、特措法規定の組織や機能とは別の組織が走った(例:「報道班」の代わりに枝野内閣官房長官が報道に当たった)。

⑮ 「子ども被災者支援法」が設置されたが、放射能汚染の適用基準がなく、具体的対処内容も一切無く、安倍内閣により反故にされた。

⑯ 原子力基本法改定が改訂され第2条に「我が国の安全保障に資することを目的とする」が付け加えられた(2014年5年7日)。「原発と核燃料再処理確保は核抑止力を睨む国の安全保障」の意図が「影の思惑」から「法」に格上げされた。

「原発と核燃料再処理確保」のためには『トリチウム汚染水を「危険」と認識することは絶対に避けなければならない。特に再処理工場が成り立たなくなる』。そのために何としてもALPS汚染水の海洋投棄を強行する。

(4)国際原子力ロビーの本質

チェルノブイリ事故と、チェルノブイリ法の成立並びに、ウクライナ国家報告書やチェルノブイリ被害の全貌等5千通に及ぶ報告書(日本ではわずか十数通)に満載された健康被害は、原発維持推進機関を窮地に立たされた。

①  「保護しない」への逆転的開き直りチェルノブイリ法による住民保護(直接的被曝軽減)には負担が掛かりすぎ、国と核産業は破綻する。国際原子力ロビーはその存在を掛けて被曝被害の実態を隠蔽し、「被曝保護しない」に開き直った。

②   放射能恐怖症による精神的ストレスが疾病の原因!!IAEAは1990年にチェルノブイリ事故をめぐる国際諮問委員会委員長に日本の放射線影響研究所(旧名は「原爆傷害調査委員会(ABCC)」)所長の重松逸造氏を当てた。重松委員長は「汚染地帯の住民には放射能による健康影響は認められない、むしろ放射能恐怖症による精神的ストレスの方が問題である」と結論した。以降、この見解が国際原子力ロビーの基本線となり、甲状腺がん以外の被曝被害を悉く切り捨てた。

③  IAEA会議「チェルノブイリ10年後」の反人権・歴史逆流指針(古典的被曝軽減措置を廃止し「高汚染地帯に住み続けさせる」に大転換)「チェルノブイリ事故後10年目」会議(1996年)で被曝防護方針を逆転させた。結語に於いて「被曝を軽減してきた古典的放射線防護(被曝線量軽減を実際に行う防護)は複雑な社会的問題を解決するためには不十分である。永久的に汚染された地域に住民が住み続けることを前提に、心理学的な状況にも責任を持つ、新しい枠組みを作り上げねばならない」と結論する。「防護しない」へと指針大逆転を行った。IAEAは、その後東電事故の現場に於いてIAEA方針の適用監視を行っている。

④       住民を高汚染地域に住み続けさせる具体策

 IAEAの「被曝防護しない」構想はどのようにして具体化されたか? 国際放射線防護委員会(ICRP)2007年勧告で「被曝状況」の概念を拡大した。 従来の計画被曝状況に加えて、緊急時被曝状況(事故が生じたとき)と現存被曝状況(事故後の高汚染状況)を持ち込んだ。

「計画被曝状況」では、事故の無い通常時の、法律で定められた被曝線量限度:「公衆に対しては年間1mSv以上の被曝をさせてはならない」。

事故が生じた「緊急時被曝状況」では「100 mSv/年までよろしい」。事故後の「現存被曝状況」では「20mSv/年以下の「低」線量を目指す」。実に巨大な線量適用が宣言された。

これらは愚民視に基づいて住民を高汚染に晒す棄民である。

(5)現れた健康被害

(小児甲状腺がん) 福島県健康調査検討委員会はそれまでの「小児甲状腺がんと原発事故との間には関係が見いだせない」としてきたところを、2019年、「甲状腺検査本格検査(検査 2 回目)に発見された甲状腺がんと放射線被曝との間の関連は認められない」と断言した。これらは国連科学委員会(UNSCEAR)のデータに裏打ちされると言う。しかしUNSCEARの発表する「甲状腺線量」は科学的測定条件を満たしていない意味のなさない測定によって調査された1080名の結果に基づいている。UNSCEAR は50分の1から100分の1に甲状腺被曝線量を過少評価していることが報告されている(加藤聡子ら)。多数の科学論文が委員会とは正反対の「甲状腺がん多発は放射線被曝による」と結論しているのである。

今までに科学的に確認されている甲状腺がんの実態は以下に整理できる。

①  甲状腺被曝線量  日本政府は誠実な定量的測定を放棄した。1080人(対象者約37万人中)の測定は測定器も測定方法もかつ測定地域も不適切であり、科学的に意味の無いデータである。

②  患者の現れ方  「悪性ないし悪性疑い」の260名中217名ががん確定。10mm以上が2/3 を占める。

③  ほぼ2年間の検査期間(前検査から当該検査までの期間)で検出不能から 5.1mm以上に増大した人は46名。

④  手術の現状 手術者は216名/260名(2021年7月)手術原則 ①10mm以上に限る ②10mm以下では転移が認められるものに限る。

⑤  UNSCEAR およそ70倍の甲状腺線量過小評価 UNSCEAR判断は科学的根拠が無い。発症率は同一被曝なら、どこでも同じという原理を適用すると被曝線量を約70分の1に過少評価する。

⑥  発がん率は検査期間と被曝線量の2因子に依存する。福島県民健康調査委員会は検査期間をめちゃめちゃに混ぜ合わせる反科学的操作で「依存しない」と結論する。意図的導出である。

⑦  スクリーニング効果/過剰診断論/倍々ゲームで「5年間は発病まで掛かる」/「20年先のガンの先取り」論/等々様々な「原発事故に関係しない論」が登場した。特徴は現場データを科学分析せず実際生じた事実を彼らのドグマで切り捨てることを行なっている。科学とは逆の功利主義的観念論である。

 

(死亡率の事故との時間相関:9年間で63万人の死亡者異常増加)

厚労省「人口動態調査」の死亡率データを分析した。粗死亡率、年令調整死亡率、性別年齢別死亡率のいずれも明確に2011年以降で死亡率の異常増加が認められる。

特に性別年齢別死亡率では2011年以降年令別集計で、9年間で63万人の死亡数の異常増加と56万人の死亡数の異常減少(被爆者の実態を見ると短期的には死亡率減少でも長期的には短命となる(LSS14報))があり、差し引き7万人の「見かけの死亡者異常増加数」を記録する。実に合計120万人の死亡率の異常増減を示した。巨大な健康被害が隠蔽されている。 様々な死亡分類の死亡率が2011年以降異常増加し、病院の患者数や学童の特別学級生徒数/不登校生徒数/要医療児数/イジメ数が増加している。

性別年齢別死亡率の測定例を図に示す。

①  25才~29才の男女 死亡率は男女ともに2011年以降減少を示す。

②  85才~89才男女 死亡率は男女ともに2010年以降急増を示す。2010年は熱暑によるお年寄りの死亡増が報告されている。

③  死亡率異常減少は20才~59才の体力旺盛層で現れる。

④  死亡率異常増加は19才以下の若年層と60才以上の老齢層に現れる。

 図:省略 添付ファイルには表示してあります.


死亡率異常増加と異常減少をこれほど大規模に同時に与える死亡原因は放射線被曝以外には考えられないだろう。事故と同期している。

(6)我が家を襲った悲劇

 矢ヶ﨑は2011年3月24日に沖縄を出て福島に向かい、福島全県の放射能測定して廻った。

その後幾度となく福島を訪問し、多数のモニタリングポストの測定もし、住民の皆さんとも沢山の懇談会を開いて、「被曝、特に内部被曝の危険を訴え、回避の方法を探った。

 

妻沖本八重美は広島原爆被爆者の一番年の若い胎内被爆者であった。

沖本は「原爆被爆者の悲劇を福島で繰り返してはならない」という思いでやはり何度となく住民の皆さんに体験談も警告もしながら、内部被曝の回避を訴えて一緒に行動した。

沖縄に於いては沢山の避難者の生活をサポートするための活動をし、福島県外としては初めて、東電に「避難を保障し今後の対応を説明させる会」を5千筆もの署名を集めて実施させる等に尽力し、広く『沖縄のお母さん』と呼ばれる活動を展開した.

2013年1月27日、沖本は突然斃れ帰らぬ人となり、「一人一人が大切にされる社会を目指す」生涯の活動を終えた。

 

心臓発作であった。通常沖本と同様な症状は、「冠動脈等狭窄」によるとされるが、沖本には狭窄ヶ所はなかった。心内膜等がボロボロになっている状態だった。

心臓組織は新陳代謝が無く、「放射線による電離(分子切断)損傷は蓄積される」とされるが、沖本の症状は放射線による損傷を象徴する状態であった。

 

沖本が斃れる1週間前に矢ヶ﨑は人間ドックを受けたが変異が生じていた。右心室と左心室の収縮パルスが欠損し、「心臓の下半分が麻痺しているのではないか」という診断であった。

心電図は変化しないが現在も心臓は確実に動いている。

 

沖本の倒れた1ヶ月後脳のMRIを受けたが診断医曰く「大脳が随分萎縮していますね」。大脳が頭蓋骨内径より5cmも縮まっていた。

 

その後、頭蓋内の状況は変化し、2014年10月には「硬膜下血腫」に変化しており、担当医がその日の予定を変更して即刻手術をしてくださった。

55ミリリットルの血液を除去してくださった。

幸い大脳は生きており血腫を除去する瞬間の『爽快さ』は今も覚えている。

 

この間矢ヶ﨑は、放射線汚染食材は可能な限り避けることとミネラルと酵母類を大量に摂取し続ける等を自身の治療方法とした。

幸い、現在の矢ヶ﨑の体調は極めて良好である。

 

(7)死亡者・体調不良者の異常増加―この悲しみ・苦しみをなんとしよう!

死亡と体調不良の異常増加は完全に隠蔽されている。

放射能の大量拡散の下に、その放射能に対する防護意識を完全に取り払い、高汚染地帯に住み続けさせ、積極的に放射能汚染食品を生産させ、食させるという蛮行を政府・原子力ロビーが強行した。

 

市民は住み続けることで故郷を守り、「被災者応援」の優しさで「食べて応援」した。政府/原子力ロビーは被曝の危険性を隠蔽し続けた。

移住の苦しみより故郷に居続ける方が人間の歴史と営みに合致する。社会の絆を全うする。

 

本当は原発全廃しかあり得ないのに、被曝被害がほぼ完全に隠蔽され、原発は地球温暖化に必須であるという政治が走る。住民が犠牲にされているのに気がつかせない。

人間無視が大手を振って歩く社会が作られている。

 

被曝の脅威は「放射線恐怖症」に置き換えられ、あらゆる死亡が「事故とは関係ありません」に置き換えられている。

なんという野蛮さ。近代科学なんか全く縁が無い社会が走る。原子力が全ての基本的人権を奪い去って君臨する。

 

隣近所で人が死亡しても、「放射線被曝」を裏付ける医学的証拠は何も無い。人々は懸念を抱きながら、口にできない。ICRP体系はそれを完全に拒み切る体系だ。

 

放射線被曝の被害は、実際は非常に多様で深刻だ。ICRP体系では放射線の損傷はDNAに限られ放射線被曝被害は「がん(加えて少々の臓器異変)に限られる」という認識だ。損傷は体調を崩し、あらゆる体内組織に及び、「酸化ストレス症候群」に対応するあらゆる体調不良・衰弱死をもたらす。

犠牲を知りながら「故郷に住み続けさせ」「善意の被曝」を強制する。

その様な虚構の上に立つ放射能野蛮社会に終止符を打ちませんか!

 

犠牲に気付きましょう。生産者も消費者も共に犠牲者です。

悲劇を認識すると怒りも湧いてきます。悲劇を繰り返さない社会を作ることは主権者の責務です。次世代に対する現社会人の責務です。

 

ICRPに変わる、善意・人道に則った誠実な科学を反映させた真の放射線防護体系を作り上げましょう。科学者・専門家の責任が非常に重い。市民も認識すれば強大な力を発揮できます。

 

事実をありのままに認識することは民主主義の土台である。

(3・11―13周年を前に:2024年3月4日 矢ヶ﨑克馬)



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