放射能公害―被災者は目覚めるしか道はない ―支配に甘んじる限り自覚せぬ被害者に!ー
- 2016年9月2日
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破局が続く
放射性物質の噴出量、5年後の今も放出し続ける汚染粉塵と汚染水、小児甲状腺がんのチェルノブイリをはるかに上回る早期大量発生等の事態を見るだけで、歴史上かってない放射能公害が進展していると判断するのが自然体の素直な見方です。日本総人口の異常な減少が続いています。
しかしその実態がほぼ完ぺきなまでに公的に隠蔽されているのです。チェルノブイリ周辺では、公的に検査され始めたエコーによる甲状腺の診断は全地域に網羅的に及びました。しかし日本政府は福島県以外の子どもたちを守ることをしない。予防医学的な見地は全く持っていない。「検査しなければ被害は無い」のです。特徴は以下に記すとおりです。
(1)前述のように炉心からの放出放射能量はチェルノブイリの4.4倍程度です 2) 。政府は6分の1としています。
(2)放射能汚染の高濃度の地域は東日本全域に及びます15)。例えば、東京都内の平均的汚染状況は現在においてもすさまじい強さです 2) 。政府は「放射能の影響がある地域は福島県の行政区域内だけである」として福島県以外の放射線被曝の影響は全て切り捨てているのです。土壌汚染マップさえ作成していません。
(3)大量の健康被害が出ています。しかし一切の健康被害が放射能と切り離されるという作為が働いています。大量被ばくも「安全」論で片付け、事実を見ようとしません。福島県内で発見した小児甲状腺がんの大発生は「原発事故との因果関係は見いだされていない」の一言で片づけられています。例えば山下俊一氏は、大量発生はスクリーニングエコーのせいだとしていますが、彼自身がベラルーシゴメリ地域で1998~2000年に調査した結果はチェルノブイリ事故後に生まれた小児:すなわち放射性ヨウ素を浴びていない小児、はスクリーニングしてもがん患者はゼロだったことを報告しているのです。自らの調査結果と正反対のことを言って、放射能の原因説を否定しているのです16)。
大量発生に対する東電と政府の発生原因を作ったものとしての責任、賠償責任、道義的責任など、立憲民主主義の基本である住民を保護する責任が一切放棄され犠牲が闇に葬られようとしています。もちろん隣県等の小児に発生しているであろう小児甲状腺がんは予防医学的健診すら実施していないのが実情です。日本の総人口の異常な減少17)、難病総数の異常な増加18)、都内病院の患者数の異常な増加2)等、全て「放射能には関係ありません」で片付けられてしまう。本来の予防医学的観点からは、即刻放射能との関わりで被曝防止策を検討しなければならないはずです。功利主義の立場から棄民を強行している行政の責任は大きい。それに安全の大宣伝が伴う。大多数の住民はまさに「お上のおっしゃることはごもっとも」なのでしょうか?
(4)放射能汚染は100年規模で続きます。それをたった5年で汚染が「被害の無いほど弱くなった」として住民を帰して復興に当たらせています。功利主義・国際原発マフィアによる大規模な「悲惨な結果が分り切った人体実験」そのものです。加えて、オリンピックを資本の餌食に導入し、世界の若者を放射能の健康被害にさらす暴挙としか言いようのない「アンダーコントロール」の虚偽誘致。高汚染地域への住民帰還を強制します。強制手段は、自主避難者に対する「避難支援」停止する。アンダーコントロールという嘘言を恥じない2枚舌権力は恐るべき民主的判断力に欠けた反人権主義なのです。
チェルノブイリの被害の全容は恐るべき健康被害を記録しています。5年経過した時点で被害は急増しました。これらの健康被害は全て日本への深刻な警告です。日本ではこの健康被害をあたかも自然現象であるように見せる「多死社会」というキャンペーンさえ始められました。
あまりにも無見識に、放射線被曝を抑圧する日本政府および国際原子力ムラによる統制された日本社会は、日本社会自身で正さなければならないことははっきりしていますが、きついくびきです。
日本住民を襲う放射能公害被害の警告を政府にも住民にも発し、強力な対策を推進すべきです。汚染地域も汚染が低い地域も一様に「命を大切にしよう」「ぬちどぅたから(命こそ宝)」を合言葉に放射線被ばく強制の枠組みを取り払うたたかいが必要です。
棄民の枠組みを取っ払うしかないー棄民から人権保護へー
原子力緊急事態宣言下の政府基準は徹底的法律無視です。この宣言のもとに「放射性物質汚染対処特措法」などが定められています。政府の言う通りにコントロールされたのでは、戦争法の法体制・憲法破壊法体制とともに強権的に、一切の人格権自体が一切の人権とともに葬り去られます。私たちが人権を自ら主張して打開することしかありません。
どう主張したら良いのでしょう?自分の命は自分で守るしか道はありません。
汚染地在住の皆さんは土地を捨てるわけにはいかないのでしょう。でも、死を賭して土地を守ることは悲しすぎます。前回のブログに書いた通り、大量の人の命が放射能によって奪われています。住民の体調不良が既に始まっているのを見て見ぬふりをするわけにはいきません。命を大切にするためには土地を離れる勇気を持ちましょう。
せめて内部被曝を防止する食材選びの目を持ちましょう。
生産物を、「俺は食わんが売ってしまう」では悲しすぎます。支え合う民主主義の原理に反します。汚染地内外で命を守るたたかいを共同してできないではないですか。食べて支援は本質的支援ではありません。政府の支配枠を功利主義から人権の有る市民本位に変えさせましょう。
それには棄民政治の支配に従順に従うわけにはまいりません。100ベクレル/kgの巨大枠は縮小させましょう。放射能に言及させない町を挙げての言論コントロール、汚染地域に留まって被曝を意に介さない「復興のための英雄主義」は直ちに改めて、素直に当たり前の「美味しく安全なものを供給することを天命と心得る」生産者に戻り、命を守ろうではありませんか?
復興することへの賛美、移住・避難を犯罪扱いにする、帰還強制。全て権力による「棄民」です。その陰には住民の積極的服従が目立ちます。東電や国の都合に従うことをやめなければなりません。命の安全を確立する立場を貫いて「大地を守る」ことも位置付けなければなりません。
農漁民の方は安全な食料を生産することが使命です。その使命が成り立たなくなる環境で働かなければならないことは根本的な人権破壊です。
政府によって与えられた条件の中にいては人権破壊を食い止めることはできません。
農漁民の皆さんは誰にとっても安全な食料を供給する使命に徹しようではありませんか。
食べて応援・風評被害キャンペーンは被曝促進です。
誰もが安全を確かめられた食品を食せるように保障しましょう。
その体制はどうしたらもたらされるでしょうか?
事故から5年目、遅きに失した公的被曝防護も多々ありましょう。しかし、放射能公害は世紀を超えて続きます。世代を越えて被害は襲い掛かります。
決して今からでも遅くない。力を合わせましょう!
矢ヶ崎克馬
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参考文献等
2) 放射線被曝の争点—福島原発事故の健康被害は無いのか
緑風出版(2016) 渡辺悦司/遠藤順子/山田耕作[著]
15)定期降下物のモニタリング http://radioactivity.nsr.go.jp/ja/list/195/list-1.html
16)Y. Shibata & S. Yamashita. Lancet 358:1965-66, 2001
No evidence of Cs-137-induced solid cancer risks including thyroid cancers
17)平成26年3月20日 総務省統計局 人口推計
18) 特定疾患医療受給者証所持者数 http://www.nanbyou.or.jp/entry/1356

放射能公害被災者に人権の光を! 原発事故避難者に公的支援を求める会 会長:矢ヶ崎克馬(発起人・代表) 電話: 080-3187-5551 e-mail: yagasaki888@gmail.com 署名送り先:〒903-0116 沖縄県中頭郡西原町幸地586−8