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3.11から6年≪命・人権 脅かす 原子力公害≫ ■中■ 琉球新報・連載 2017/03/09

  • 2017年3月9日
  • 読了時間: 5分

琉球新報 2017/03/09 『3.11から6年』 ≪命・人権 脅かす 原子力公害≫ ■中■

『全国で死亡数増加 本当に事故と無関係か』(矢ヶ崎克馬)  原発事故以来6年。故郷の復興は被災者にとって切実な願いである。現在「原子力緊急事態宣言」が解かれない(高線量である)まま「復興」「帰還」が進められている。「避難指示解除準備区域」「居住制限区域」等が次々と解除され、指示区域外避難者(自主避難者)の避難を保証する住宅無償提供がこの3月で打ち切られる。  復興のために放射能について語ることを「風評被害」とし、「食べて応援(農水省)」の大合唱が行われている。反面、放射能による健康被害は公的データとしては「一切ない」ことにされている。これで良いのだろうか?  この6年間の事故関連の事態の進み方をどのように捉えるべきだろうか。事実を正直に伝え、「一人一人を大切にする」民主主義の政治・行政がどのように展開しただろうか。放射能についての基本的視点に絞り、振り返りたいと思う。  「ただちに健康への影響は出ません」「100ミリシーベルト以下の健康被害は他の健康被害に隠されてしまい、認められていません」等々の大宣伝がなされた。本当だろうか? ◆小児甲状腺がん  まず、福島県の小児甲状腺がんにっいて検討する。2016年12月27日に公表された最新の福島県民健康調査報告書によると、がん罹患者は合計183人になった。発生率は事故前の100倍規模である。相変わらず「事故との関係は認められていません」という見解が発表されている。事故との関係はないという見解はいくつかの理由による。それらを検討する。  ①発生が早過ぎる(潜伏期間が短過ぎる)→ 米国立科学アカデミーによれば、小児甲状腺がんの最短潜伏期間は1年とされる。潜伏期間を4年としても確率的に半数が4年以内に発生するのであり、短過ぎることにはならない。  ②チェルノブイリと福島では被ばく線量が違い過ぎる → 日本では、100ミリシーベルト以下では発生しないと決め付けた上で、放射線医学総合研究所が行った正確な被ばく線量を測定できない装置による1080人のデータから、100ミリシーベルトに達した例はないとしている。そもそもこの方法では科学的に測定したとは認められない。ウクライナでは約13万人の子供が甲状腺の直接測定を受けている。そして、ウクライナの小児甲状腺がんの51・3%が100ミリシーベルト以下であるという事実も、日本では被ばく線量が低いという根拠を否定している。  ③スクリーニング効果で普通なら発見されない潜在がん患者を見つけている → そのように主張した山下俊一氏は、自らの調査結果に反している。彼自身の1998年の調査によると、チェルノブイリ事故の時に生まれていた小児と事故後に生まれた小児、それぞれ1万人ほどをスクリーニング調査した結果、甲状腺がんの患者が前者では31人、放射性ヨウ素で被はくしていない後者はゼロだった。この結果は福島のがん患者発見がスクリーニング効果だということを完全に否定している。  さらに、性差でも事故の影響を裏付けられる。自然発生では女性ホルモンの関係で女が男の5倍程度であるのに対し、チェルノブイリも福島も2倍以下である。私の解析では、放射線の作用によって性差が小さくなったと結論付けられた。  また、世界の学会では福島の甲状腺がんが異常多発であることを認めている。  以上、科学的には事故との関わりが十分示されている。誠実な行政であるならば、予防医学的な観点から日本の全小児を対象に検査と治療を国と企業の責任で行うべきである。 ◆疾病別死亡統計  全疾病の中で、2010年以前の経年変化を基準として事故が発生した11年以降の死亡数が増加している疾病の数はほぼ40%である。特に精神神経科関係ではアルツハイマー、認知症が著しい増加を示している(グラフ参照)。

脳細胞や神経細胞は新陳代謝のない組織として知られているが、放射線に当たり電離(組織の切断)を受け、病状が悪化したと理解できる。両者合わせて毎年ほぼ30%という異常増加が起きている。この事実は要介護者増や事故など、多くの社会現象と関連している。厚労省人口動態調査の異常減(年十数万人以上減少)も恐ろしい数値である。 ◆患者数の異常増  患者数の異常増加が各種統計で示される。日本難病情報センターのデータでは11年以降患者数は加速的に増加している。東京都の病院患者数はそれ以前に比べて11年は飛躍的に増加した。11年以降の手術数の増加も各種統計で確認される。 ◆食材の汚染  事故前の食材の汚染状況は米、根菜、牛乳、水がいずれも0・012ベクレル/kg以下、魚類が0・09ベクレル/kgである(表参照)。

今の流通制限基準の100ベクレル/kgは健康が維持できる基準ではない。この基準のため全国的な健康被害が異常に増加したのである。  残念ながら、強度な初期土壌汚染のあった地域の陸・水の産物には今なお広範囲に汚染が認められる。チェルノブイリ事故では6年経過後に各種の健康被害が急増している。 「命どぅ宝」を貫くには今後もずっと日常の食材選びが不可欠である。  私たち「つなごう命の会・原発事故避難者に公的支援を求める会」は、避難者支援を沖縄県にも訴えてきた。沖縄県が避難者受け入れ先としては日本で初めて、指定区域外避難者の沖縄継続避難者全員に対して、家賃補助の予算を次年度予算案に計上した。皆さまのご支援と沖縄県の英断に感謝いたします。 (連載:上は7日掲載、中は当記事、下は10日掲載)

 
 
 
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