避難者通信24号【前半】
- 2017年4月2日
- 読了時間: 4分
皆さん
お元気ですか。
今日のニュースは:
(1)沖縄県が被災者生活再建支援事業(新規事業)の予算を可決しました。
東日本大震災による避難世帯に対する戸別訪問、家賃支援等に要する経費。 予算の主な内容は指示区域外避難者で沖縄に引き続き残留する全家庭に対して月々1万円の家賃補助を行うものです。
受け入れ先の自治体で全戸対象に支援措置を行うのは日本で初めてのことです。避難継続全家庭に支援するという行政姿勢はたいへん評価できます。
私たちは家賃の全額あるいは半額切り捨てに対して「全家庭家賃の半額を支援してください」と要求していましたが、金額はそこまでいかずに上記のとおりですが、全家庭対象の事業として予算が成立しました。これは国や行政機関の主権在民の目を持つ施策として新しい道を開くものです。
(2)問題点は、国と福島県の「帰還政策」で全支援終了の再来年度で沖縄県の支援も終了するも終了する予定であることです。
「糧道を絶って帰還を迫る」という棄民施策と連動するものです。
さらに、福島県以外からの避難者は「認知されないまま」でいることです。健康被害一つとってみても被害は明白ですが、加害側の論理は「一切事故とは関係していない」という対応です。
もう一つ。私たちは沖縄県民の健康被害を防護する措置を陳情内容のひとつとしています。沖縄には流通による放射能汚染食品がかなり流れ込んでおり、県民所得の低いことと相まって、内部被曝の実害が広がろうとしています。医療機関の手術数などを見てもその懸念が垣間見られます。
住民本位の考え方では、放射能公害は加害企業と国の責任は明白で、それに対応した住民を被害から守る保護や古里の生活条件を投げうって避難せざるを得なかった避難生活保証をすることが当然です。チェルノブイリ法はその誠実な姿勢を示しています。日本では切り捨て「棄民」が先行しています。
(3)いつまでお上に世話になるの?
チェルノブイリ周辺国では事故後31年経過する現在も避難者に対する支援を継続させているのに比較して日本政府の「事故責任を認めない(原発訴訟前橋判決では明確に国の第一次責任を断定しています)」「基本的人権の上での生存権を脅かす」人権の軽さが際立ちます。
「ふるさとに帰りたい」。「ふるさとに帰れない」。
この状況で、上から目線でまことしやかに「そろそろ自立しなければ!いつまでお上のお世話になるのですか?」とのささやきがますます大きくなります。この悪魔のようなささやきに心が苛まされます。住民を装って避難者支援を装って政府の「棄民政策を宣撫する」ものです。なぜなら自立という世間並みの言葉を装って、政府の責任放棄の政策をほう助するからです。自立しようがしまいが放射能公害の加害者は責任を取るべきです。公害ではこの点をあいまいにして人権はあり得ません。
自立できる人は幸いです。自立困難な条件にある人にとっては「社会的半人前で良いのかと?」と戦前の隣組を通じたお上目線と同じで、「非国民」呼ばわりのように身を責める悪魔のささやきなのです。
政府主導の「食べて応援しよう(農水省他)」、「風評被害撲滅」のキャンペーンと対を成すもので、多くはお上から資金を得てお上に協力する組織がキャンペーンを張ります。
最近は教育勅語の世界に戻そうとする政治勢力が、市民に「お上のために役立つ」ことを求めます。同じ目線で「お上にお世話になる」ことを恥として宣伝しています。
憲法25条に「生存権、国の社会的使命」という「主権在民」の基本姿勢が明示されていますが、これを実質的に邪魔な条項と考える考え方が強調されるようになりました。
ましてや、国の責任が明確な「放射能公害」下の「避難」を余儀なくされた人々にこの考え方を適用するのはまさに「棄民」です。
「自立」は切実です。自立できる人は幸いです。しかし現実はそうは行き難い方々であふれています。そのような人々を「自己責任」で切り捨てるのが大問題です。それが「棄民」です。
(4)人権の門を開かせよう。
皆さんに改めて問いかけます。これからの人生どういたしますか?
国の棄民政策の強行を前に、改めて人生設計が求められているのではないでしょうか?
すでに確立された国際的水準を目線とした人権の主張こそが道を開くものです。
「門をたたけ、さらば開かれん」。
人権の門をたたくことも一般に「たたかう」と称します。
たたかいは自分と同じ人権を持つもの同士で共通の必要なことを獲得する運動です。一人一人が大切にされる社会を築く基本です。
沖縄では特に「勝利の秘訣はあきらめないこと」、「道理あるたたかいは必ず勝つ」という非暴力の抵抗の伝統からの、励ましの合言葉が力強く響きます。
一人一人人権を見直して、諦めないようにしましょう。

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