「共謀罪を問う」戦争できる国へ着々(沖縄タイムス)
連続インタビュー「共謀罪を問う」 ◆戦争できる国へ着々 「共謀罪」は権力に歯向かう人たちを取り締まりの対象にする。実行行為が取り締まりの前提となる刑法の原則を破壊している。権力が断定すれば、行為がなくても捜査でき、実行の意思がなくても逮捕される可能性もある。原発反対運動など、あらゆる市民運動も対象となりうる。 私たちは原発事故による放射能の危険性を科学的な事実で指摘し、被ばくを防ごうと声を上げている。しかし、国は避難区域を解除し、放射能がいまだに残る地域への帰還を迫っている。政府が勝手に基準を作り、政治の論理で国に都合のいい方針を決定する姿勢は「共謀罪」の議論に重なる。 成立すれば、市民生活全般を取り締まる権力が出来上がる。運動だけでなく、批判の声も上げにくくなるなど萎縮にもつながる。安保法や憲法の改正など、戦争ができる国づくりのプロセスの一つになっている。 (随時掲載)=3面参照 矢ヶ崎克馬さん(73)琉球大学名誉教授 沖縄タイムス 2017/05/31