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避難者通信35号 知事あて「要請書」と「説明」

いよいよ9月となりました。 ご連絡です。 福島県が家賃補助を決めてくれましたが、手続きが複雑で、中には五月雨的に次々と6回も追加書類を求められるケースが出ています。未だ第1四半期分の振り込みがなされていません。 それに対し、沖縄県は福島県からの「補助決定通知」が来ないのを心配していましたが、確認できると素早く対応してくださり、既に振り込みをしていただいております。 皆さん手続きの途中で嫌気がさして、手続きを放棄するようなことはなされませんように。 本日、沖縄県知事あてに家賃問題に関わる陳情をする日程を押さえるために、「子ども生活福祉部」「消費・くらし安全課」に行きました。 来年度予算案が準備される前に陳情を詰めていきたいと思います。 その際提出した知事あての「要請書」とその「説明」をご紹介します。また説明に用いた資料を添付ファイルにしております。 日程が定まりましたらまたご連絡いたします。 どうぞくれぐれもご自愛ください。 矢ヶ崎克馬

 

2017年9月4日 *沖縄県知事 翁長雄志 殿* つなごう命の会 会長 矢ヶ崎克馬 住所 沖縄県中頭郡西原町字幸地 586-8 郵便番号 903-0116 電話 080-3187-5551、Fax 098-988-0357 *放射能公害被災者に人権の光を与えてください(要請)* 知事におかれましては県民の信頼を集め、益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。 この件は県議会に於きましては、「陳情平成28 年第48 号放射能公害被災者に人権の光を求める陳情」としまして継続審議となっておりまして、 引き続きお世話をいただいております。 政府および福島県は、福島県指示区域外避難者に対する住宅無償提供制度を昨年度で打ち切りました。この件に関し避難者の苦境打開を願う私どもの陳情に対しまして、 沖縄県は沖縄避難ないし移住を継続する避難者に対しまして家賃補助を予算化していただきました。厚く御礼申し上げます。 さらに、第1四半期分の家賃補助を避難者に対して口座振り込みを既に行ってくださいました。福島県からの支援が未だ執行されていない時に、このように素早くご対応いただいたことに避難者一同深く感謝申し上げます。「地獄に仏」の例えはまさに避難者の実感です。 沖縄に来ている避難者の多くは放射能弱者で、放射能の健康被害を体験しております。 事故後たった6年しかたたない現在、未だ強い放射能汚染が残存します。福島に帰ることは命取りに繋がります。 避難者が沖縄に避難し続けられるようご配慮くださることを要請いたします。 避難しなければならない原因は避難者自身が作ったことではありません。本来あってはならない放射能の「放射線管理区域」外放出があり、それにはれっきとした加害責任者である国と企業があります(前橋判決)。しかし住宅無償提供制度が打ち切られました。受け入れ自治体の支援はまさに命綱です。 家賃補助を、来年度は半減させ再来年度はゼロにすることは、避難者の生活破たんを招きます。 今避難者の多くは、家賃を自己負担しなくてはならない時に備えて、収入を確保するのに必死です。精いっぱい頑張っていますが、未だめどが立っていない者が沢山います。幼子や病がちな家族を抱え、あるいは老齢家族が居ります。行政として被害者が自立困難になることをぜひ回避してください。 人権に立脚した沖縄県独自の長期的避難者支援を行っていただきたく、下記を謹んで要請いたします。 *1.来年度予算の家賃補助を減額せずに本年度と同額を維持すること。* *2.再来年度以降も家賃補助を本年度同様に継続すること。* *3.被害者である避難者全員に家賃補助を行うこと。* 以上 ************* *説明書* *放射能公害被災者に人権の光を与えてください(要請)* 今回私たちは、来年度予算編成に向けて 1.来年度予算の家賃補助を減額せずに本年度と同額を維持すること。 2.再来年度以降も家賃補助を本年度同様に継続すること。 3.被害者である避難者全員に家賃補助を行うこと。 を陳情しております。 原発事故避難者は必死に頑張っています。 家賃補助が切れることに備えて、なんとか収入を上昇させようと頑張っています。 しかしなかなか思うように道が開けません。 このままだと経済的に沖縄在住をあきらめざるを得ない家族がいくつも出てしまいます。 しかし福島に帰ると放射能敏感者は命が縮まる恐怖があります。 その理由をお伝えしたいと思います。 (1)福島の現状* 原発事故6年後の今日、日本では大幅に居住制限を解除して「復興」「帰還」を強く推進しています。 *表1*はチェルノブイリと日本の放射線防護の規準の違いを示しています。チェルノブイリでは土地の初期汚染(第3欄) を区分の基本とし、年間吸収線量(内部被曝も含む)も同時に使用しています。

(☟画像クリックで大きく表示されます)

日本の規制基準はチェルノブイリの20倍高いと言っていいでしょう。日本は規制基準が高いうえに、住民保護も外されようとしています。 チェルノブイリでは住民は移住の権利をはじめとして様々な保護措置が事故後31年の現在も継続されています。 *表2*には福島農民連の方々が測定した2016年の県北(伊達郡、伊達市、福島市)の果樹園の土壌汚染です。 表2-①2016年の福島県北の果樹園の土壌汚染 表2-②2016年の福島県北の果樹園の土壌汚染 表2-③2016年の福島県北の果樹園の土壌汚染 表2-④2016年の福島県北の果樹園の土壌汚染 表2-⑤2016年の福島県北の果樹園の土壌汚染 農地は今なお強く汚染が残ったままです。 放射能汚染の有る土地で生産すると必然的に農作物に放射能が入ります。 多くは流通基準の100ベクレル/kg以下になりましたが、ドイツ放射線防護令」の国内基準(算出された数値は子ども4ベクレル/kg等) を上回っているのが実情です。 免疫力の弱い人、体力の落ちたお年寄り、病人など沢山の方が既に犠牲になっている模様です。 表2の汚染値は、初期汚染に比較しかなり減衰した(除染などにより)とはいえ、なお強いものです。

このデータをそのままチェルノブイリ基準と比較しても全体の80%は「移住権利」の汚染の区域になります。 移住権利の汚染度は、日本では原子力基本法などの法律が定めた住民保護基準と同じでありますが、 残念ながら日本では 20mSv以下という基準で、今すべての保護が外されようとしています。 海の汚染も極めて厳しく、福島県沖合2キロで、今年1月下旬に採取されたクロダイに27ベクレル/㎏、30ベクレル/kgのストロンチウム90を検出しました。 過去の最高値です。 日本ではセシウム以外はほとんど測定していない状況で、近海の漁猟も解禁が進んでいますが、セシウム、ストロンチウム、 トリチウムなど魚介類への汚染がさらに進むと思われます。 山菜、淡水性魚介類などはもっと深刻です。 *表3*には最近の食品放射能汚染の確認状況を示します。 (☟画像クリックで大きく表示されます)

ちなみに事故以前の食品放射能汚染状況を*表4*に示します

この表を見るとたとえ1Bq/kgの食品汚染でも事故前に比べて数ケタ高い汚染です。 この上なく純朴で郷土愛の強い福島の農民・漁民の方の生業の場を国・東電は放射能汚染しました。福島だけではありません。 汚染地に居る人々は毎日の食事を通じて被曝します。流通を通じて全国の人が被曝しています。 何と悲しいことでしょう。 ストレスは極限です。 インターネットで確認されるだけで福島県下の自治体に勤める方の自殺が昨年は9件も記録されました。子どものいじめによる自殺は、今年は4件も生じています。 福島県下の住民の方を何としても守りたい。 と同時に、福島に半強制的に帰還させられることは望みません。 私たちは命を守ろうと願います。 原発事故補償裁判の前橋判決が指摘するように、明らかに加害者があり、被害者があります。 放射能管理区域の外に放射能が出ることなどあってはならないことです。 あってはならないことにより健康被害を受け、自己防御として避難・移住を選びました。 避難している理由は明瞭に自分自身にあるのではありません。加害者の行為によるものです。 加害者(企業と国)は国策による営利行為をしていました。 原発事故は天然の災害ではありません。 加害者の国が避難者の苦境をさらに悪化させています。 どうか社会の責任として避難者が自らの命を守ろうとする「避難」を人道的にご支援ください。 (2)沖縄に於ける放射能による健康被害* 早期に出てくることが懸念される放射能犠牲の証拠(可能性)が厚労省人口動態調査で垣間見られます。 この沖縄に於いても弱者が既に犠牲となっている可能性が大です。 体力の弱いお年寄りの老衰死、新陳代謝の少ない脳や神経細胞の疾病(アルツハイマー、認知症等)の年死亡率が2011年以降急増しています。 全国的にも急増しています。 福島県下の小児甲状腺がんの悲しむべき急増は、国・福島県は「事故との関係は確認されていません」と言い続けますが、多くの科学的調査結果を無視しています。 全国的に予防医学的に住民は保護されるべきであると思いますが、現実は突き放されています。 この沖縄に於いても放射能の影響はないわけではありません。 *表5*には厚労省人口動態調査からピックアップした沖縄に於ける、弱者の方の死亡数の年次依存です。 表5-①には老衰の死亡者ですが、原発事故が生じた201年以降、年あたりの死亡者数がそれ以前の10倍を越えています。

表5-②にはアルツハイマーの死亡者を示します。

表5-③には精神および行動の障害による死亡者を示します。

いずれも劇的な急増が2011年を境として生じています。 これらの疾患は体力・免疫力が落ちているお年寄りが、新陳代謝が極めて低い脳・神経組織が、放射能による電離に弱いことで、放射線との関わりが懸念されます。 これらが2011年を機として同時に急増していることは共通して原発事故による放射能被曝による可能性を示唆しています。 沖縄の場合は流通を通じての汚染食品による内部被曝の可能性が懸念されます。 県民の皆さんは亡くなられる方も健康不良になった方も多くなったと「最近感じている」のではないでしょうか? このころ体調不良を訴える人が多いと何人かの人が語ってくださいました。 原因が「放射線による」とは決して断定することは出来ませんが、その可能性を排除することもできません。 内部被曝を避けたいと思う時には、現在は多くの場合産地によって選択・判断せざるを得ないところがあります。 私たちは、身の回りでの食材選びの苦労を少しでも軽減し、毎日の食事に有害物に汚染の可能性のあるものを少しでも少なくしたいと願います。 健康被害に直面し、そのような願いをもっている方々のために、「より安全な食材をより安く」するために情報をまとめました。 食品紹介の規準は、放射能汚染に関しては、産地が明瞭であること、加工品は材料が何であるか、加工地がどこであるか等が明瞭であることなどです。また、 一般的に農薬などの化学的な懸念物も考慮しました。パンフレットは未だ不十分ですが、その願いをご紹介します。 *資料1*に「より安全な食材をより安く」をご紹介します。 http://docs.wixstatic.com/ugd/0b285e_b10de8a786364f34aeddfbc51533d332.pdf 県民の方の健康防護に少しでもお役に立てればと幸いと思い、私たちの取り組みをご紹介します。

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