top of page

避難者通信53号「人権の守られるレベルを高めましょう。」

皆様

大雨、台風、地震と、地球が日本政治に怒りを発していると言いたくなるような、異常気象が続いておりますが、みなさんお元気でいらっしゃいますか?

被災された方には心からお見舞い申し上げます。

(1)沖縄県知事候補玉城デニー氏の選挙公約に「福島原発事故避難者への支援策を継続」が盛り込まれました。

故翁長雄志県知事が肝いりで「福島原発事故避難者への住宅支援」を決定してくださり、支援を実施していただいたことは避難者通信でお伝えしたとおりですが、後継者として立候補した玉城デニー氏が翁長雄志さんの遺志を継ぎ、避難者の人権を守る公約をしてくださいました。

選挙公約の

(項目 11) 安心・安全で快適な社会づくり の中に

「東日本大震災・福島原発事故避難者への支援策を継続して実施します。」

と明記されています。

私たちは、「福島原発事故避難者の真の苦難は国と福島県からの一切の支援が停止される来年4月から始まる」として、国、沖縄県、民医連などに支援継続の陳情・要請を行ってまいりました。

その声が、故翁長知事の意思を受け継ごうとするオール沖縄の方々に「辺野古新基地建設強行と原発事故処理が事実と人権を無視して強行される根源は同じ」として受け止められ、選挙公約にしていただいたものです。

私たちは

①福島県内からの避難者への支援

②福島県以外からの避難者への支援

③沖縄県民の放射能からの健康保護

を訴えてまいりましたが、残念ながら、そのほんの一部しか認められていません。私どもの力の及ばぬことを誠に申し訳なく思っております。

玉城デニー氏の選挙公約が実現することを大きな一歩として頑張りたいと思います。このことを周囲の避難者の方へもぜひお伝えください。

(2)避難されている方々のアンケート調査を実施いたしました。

178人、48家族と回答を寄せていただいた方は少ないのですが、避難者の現状に関する貴重なデータをいただきました。今回はその中の重要な結果をお伝えします。

支援が打ち切られれば生活が成り立たない、などの深刻な状態が浮かび上がりました。

(3)日本市民の人権の守られるレベルを高めましょう。

放射能汚染は長期にわたります。セシウム137を例にとれば強度が10分の1に減衰するのに約100年の年月が必要です。

日本は20ミリシーベルト/年を「避難」条件とし(従来の法律:1ミリシーベルト/年、に違反します)、事故後5年で避難指定などを解除し、避難支援を停止しました。

チェルノブイリでは1ミリシーベルト/年で避難の権利を認め、5ミリシーベルトで強制的避難区域としました。これらの人に対する支援は32年後の今も継続されています。「子どもの保養」は年1回ないし2回実施され、23日以上の保養期間で実施され続けています。

日本では「子ども・被災者支援法」で「支援対象地域における居住、他の地域への移動及び移動前の地域への帰還についての選択を自らの意思によって行うことができるよう、被災者がそのいずれを選択した場合であっても適切に支援するものでなければならない。」と規定されているにも拘わらず、すでに「強制帰還」的な支援打ち切りがなされました。

私たちは、避難者だけでなく、全ての人の人権が大切にされることを願っています。

明治初期の「女工哀史」を上回るような労働条件の悪化、8時間労働制を破壊する人権破壊を近代民主主義の人権を重んじるべき社会の一員として認めることはできません。

人間の価値を「生産力」で量る思想は民主主義を破壊するものです。

世界の紛争が力(核抑止力、武力)によって解決されるのではなく、人類が進むべき道を意識した理性を持った話し合いで、解決されることを求めます。

国連の多くの中小国の毅然とした「主権を」主張する当たり前の「独立国としての振る舞い」をうらやましく思い、敬意を表します。日本政府は核保有国アメリカに隷従する「卑屈の国」をやめましょう。恥ずかしくて仕方ありません。主権国として日本が「圧力」による(核抑止力による)諸国との外交:高圧と卑屈の入り混じる外交、を即刻止めることを願います。功利主義でなく道理に基づいた政治を行うことを求めます。

核兵器禁止条約を日本政府が締結し批准することを求めます。

沖縄への米新基地建設は武力・核抑止力の支配体制を強化するものでしかありません。沖縄の健全な発展をゆがめるものでしかありません。新基地建設を決して認めることはできません。沖縄住民は地方自治体の法律に規定されている権利を政府が守ることを要求します。同時に、沖縄戦を体験した住民としての世紀を掛けた誠が貫かれることが民主主義です。軸足を国家や権力に置いたどんな誘惑(買収?)にも負けない素朴で強い「子孫に恥じない」沖縄力を市民が発揮されることを願います。

これらは避難者の人権が大切にされることと直結しています。

事実と人権・民主主義が重んじられることが誠実な社会に不可欠です。

全ての人が大切にされる社会を築きましょう。

(文責 矢ヶ﨑克馬)

*

特集記事
後でもう一度お試しください
記事が公開されると、ここに表示されます。
最新記事
アーカイブ
タグから検索
まだタグはありません。
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page