原発事故避難者通信66号2019年8月2日「原爆忌」②この悔しさ、この悲しさ、この腹立たしさ! 国家的差別は果てしなく。
原爆忌②この悔しさ、この悲しさ、この腹立たしさ! 国家的差別は果てしなく。
―被爆体験者に対する70有余年の国家的差別・人格権侵害―
各位。沖縄の「つなごう命の会」の矢ヶ﨑克馬です。転載拡散自由です。
今回は長崎被爆体験者についてご紹介いたします。
(1)生涯続く国家的偏見・差別
74回目の原爆忌です。原爆被害に遭った74年前から、国家による差別を受け通してきた被害者が「長崎被爆体験者」です。
「ハンセン氏病」患者とその家族に対する偏見・差別に負けずとも劣らない苦汁をなめさせられてきた方々です。
長崎被爆体験者の生涯を掛けたたたかい「被爆体験者訴訟」をご紹介します。
(2)長崎被爆地域
長崎の被曝指定地域は東・北・西側は爆心地から5~6km、南側は12㎞。
原子雲はほぼ同心円で半径15㎞程度の放射能汚染地域を作り出しています。
長崎県民は「被曝地域の見直し」を要求しています。
(3)長崎被爆体験者訴訟
長崎被爆体験者訴訟は2007年に提訴されましたが、敗訴続き。 1陣は最高裁まで行って完敗しました。 第2陣は地裁・高裁と負けて、最後のたたかいの最高裁へ上告しています。 上告書類提出期限がこの7月いっぱいです。 特に第2陣高裁の判決がひどいものでした。 世界最悪の安倍内閣虚偽のキャンペーン「100mSv以下は安全です」、「東電福島事故で健康被害は一切出ていません」に乗っかった判決でした。 原爆症認定集団訴訟後に見直された入域区域の爆心地からの距離は1mSvを基準に見直され、その1mSvは現行法の公衆に対する被曝制限値であるにもかかわらず、判決は100mSvを基準とするものでした。 裁判所が法律を守っていないのです! この判決の中で、ほかならぬ判決文で「矢ヶ崎は徹底した反ICRP派」とレッテル張が行われました。 事実と科学的合理性と人道を持って、あるべき帰結を示し、その際ICRPの間違っている点を指摘しているのですが、裁判官は中身を吟味せず、導かれた結論だけを見て、多数の専門家が一致するところが「真理」であるとしました。 司法の果たすべき役割を放棄し、三権分立の司法の気骨など少しもない判決でした。 最高裁向けて、今最後のたたかいに挑んでいます。
(4)亡くなり続ける原告
現在550名弱の原告団ですが、提訴以来120名になんなんとする原告の方が亡くなられております。 一刻の猶予もなりません。
誠に悔しく自分の非力を痛感しております。
連敗まことに申し訳ありません!!!
(5)被爆体験者への一貫した国家的差別
被爆体験者とは「あなたたちは,実際には被曝はしていません」
「被曝をしたのではないかという精神的ストレスがあなたたちの健康被害を生み出しています。」という、内部被曝を無いものとする国家的偏見によって、差別され続けた被爆者なのです。
戦後一貫して核推進権力が被曝被害を無いもののように粉飾しようとする情報操作の典型的犠牲者たちです(矢ヶ﨑克馬:知られざる核戦争)。
認定された被爆者と同様な疾患に苛まされても被爆体験者は
「あなたたちの病気は精神から派生されたものです(精神病によるもので す)」と堪えがたい屈辱を受けてきました。
被爆体験者は被爆者と差別された健康補助を受けています。その補助を受ける際の審査には、精神神経科等病院の通院証が必要なのです。
国の制度により侮辱と差別を受け続ける人々なのです。
(6)放射線被曝を心の病にすり替える「知られざる核戦争」
内部被曝を否定し 被曝事実を極小化して 隠ぺいしようとする、
米核政策に追随し補完しようとし続けた国家のイデオロギーは,
現実の被爆を心の問題にすり替えました。
国家による差別――人格権を侵害する国による差別なのです。
最近,ハンセン氏病患者及び家族への国家的人権じゅうりんに対する判決が出されましたが,その例に劣らぬ国家による差別と人権じゅうりんが被爆体験者に対して行われ続けています。
ただちに是正すべきです。
(7)知られざる核戦争 (放射線被曝による犠牲を見えにくくするための情報操作核戦争) の犠牲者は枚挙にいとまがありません。
広島黒い雨の犠牲者も全く同様です。
ビキニ被災者は半世紀経てようやく事態が明るみに出されようとしています。
現在は原発事故被害者隠しの猛烈な情報操作、情報統制がかけられています。
まさに知られざる核戦争です。
福島原発事故後、7年間で30万人に及ぶ東電福島原発事故の被ばく犠牲者は、福島だけでなく全国全ての地域に及びます。食べて応援の犠牲です。
これらは「風評被害払拭」の掛け声とともに、官財民の総合協力により、抹殺されようとしています。
被爆体験者を被爆者と見なさない「知られざる核戦争」は今原発事故被曝に対して猛烈にその砲火を強めているのです。
基本は内部被曝の無視ですが、現在の「知られざる核戦争」が74年前の熱核戦争の犠牲者裁判に大きな影響を与えています。
(8)意見書提出
背水の陣。 最後のたたかいか?
第2陣最高裁への上告のために3本の意見書をこの度提出しました。
です。
特に「国家的偏見と恣意的基準設定は止めるべき」をご覧ください。
長崎被爆体験者訴訟にご支援を賜れば幸甚です。
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