原発事故避難者通信68号 2019年9月20日 ≪みんな頑張ろう!みんな事実を知ろう≫
沖縄の「つなごう命の会」の矢ヶ﨑克馬です。
転載拡散自由です。
皆様
ご無沙汰いたしております。
お元気でいらっしゃいますか?
この10日間あまり、「非常に強い」台風15号が荒れ狂っている最中に
内閣改造を進めるセンスに怒りを覚えました。
それにまた、台風17号です。
台風被害がありませんように願っています。
本日の通信内容は2つの内容です。①医療支援続報と、②日本の人口激減問題です。
1 医療支援続報
前回お伝えいたしましたが、
沖縄医療生協さんグループが福島原発事故避難者への医療支援の窓口を
(8医療施設:沖縄協同病院、とよみ生協病院、中部協同病院、那覇民主診療所、
糸満協同診療所、首里協同クリニック、浦添協同クリニック、協同にじクリニック)に
拡大してくださいました。
沖縄は貧困県といわれていますが、本来ならば国・行政が行わなければならない
医療制度(無料・低額医療制度)を沖縄民医連グループさんが実施されること自体が
感激ですが、これを避難者支援に適用してくださいました。感謝です。
関係する方に周知徹底するために、記者会見、論壇投稿などを進める傍ら、
沖縄県「消費・くらい安全課」に「沖縄県被災者生活再建支援金」受給者の皆さんに周知することを
申し入れておりましたが、県の責任として全家族に情報を提供してくださいました。
全国で唯一原発事故がらみの避難者支援を実施してくださっている沖縄県に改めて感謝を申し上げます。
琉球新報論壇に掲載された記事をご紹介します(添付ファイル)。
2 チェルノブイリ事故の時は、周辺3か国は住民を保護することを基本姿勢として、
「チェルノブイリ法」で実際に保護しました。ところがその後国際原子力推進ロビー」は、
「放射能から住民を保護せず、そのまま住み続けさせる」ことに基本路線を大転換しました。
福島原発事故では、その方針の下で、住民には20mSv、環境・汚染ごみ処理には8000ベクレル
という途方もない高線量を押し付けることとなりました。
全国に分散している原発事故避難者の皆さんは既に住宅保証を一切られ、
「全て自己責任」で対応させられています。
事故後8年して、初期被曝をした人々は免疫力がもろくなり、未だに感染症には極端に弱く、
わけのわからない体調不良に苦しむ方が多いのが実情です。
その上、ちょっとしたトラブルでも「避難したことが悪かったのではないか?」等と
自分を攻めざるを得ないような、精神的負担も増加しています。
避難は、お子様、お年寄りやご自分自身を被曝から守るために毅然として対応した見事な人生の決断です。
「主権在民」の精神を自ら具体化したもので、日本社会として非常に大切な誇りです。
一杯支援する人がいます。
みんな、当たり前の人道を、正々堂々生きているのです。
頑張って生きましょう。
事故後7年間で全国では28万人が異常に死亡しています。
「異常」の原因は強い蓋然性で「放射能被曝」によると推察しています。
放射能被曝の主たる要因は流通を通じての食べることによる内部被曝だと思われます。
「未だに最大限ご注意ください」と言い続けなければならない食糧汚染状態があります。
放射能でたくさんの方が死んでしまっている日本社会についてお話しします。
これを捉えても避難は実際に非常に有効な民主主義の決断です。
データは命を守るには避難するだけでなく
日常の内部被曝を今もなお避け続けなければならないことを示しています。
どうぞご参考にしてください。
3 日本人口激減について、
①人口激減の要因は自然増減(出生数から死亡数を引いたもの)の効果と2011年以降の異常死亡増・異常出生減に、
社会増減(外国からの居住や国外への転出)が加わったものであることと、
②上記異常の原因は放射能被曝、特に内部被曝であると推察されることを厚労省データから結論いたしました。
その要点をご紹介します。
人口が2010年で角張って増加から急激な減少に転じるのは
①2010年までは社会増(外国からの居住や国外への転出:図1では緑のプロット:右スケール)が増加し、
その増加が自然増減(出生数から死亡数を差し引いた値)の減少を上回り、人口は増加していた。
②社会増が2011年で、それまでかなりの増加だったのが、緩やかな増加に変わった。
東電事故の放射能放出により、諸外国で「帰国せよ」と通達が出された、あるいは新規来日を控えるような勧告が出された。
このことを反映して年あたりの増加が2011年に急落した(なお、この傾向は全在留外国人のトレンドとは異なる傾向を示している)。
③2010年以降は自然増減の減少(負に増大する)が主たる減少原因となった。
④少子高齢化による人口変化は2010年以前の直線とその延長とする。
⑤直線からからずれる異常数の全変化(異常死亡増+異常出生減)に対する割合は平均25.0%である
自然堂減の減少の中で4分の3が少子高齢化によるもの、4分の1が異常な減少によるものである。
⑥異常な死亡増・出生減は放射能被曝によると推定される。
2011年を境として諸事に異常な激増等が見られた。なお、これらの急増は少子高齢化現象と直接の関わりを持たない。
(1)異常な増加等が特に多く見られた事象は以下のようなことである。
①死亡(全死亡者、周産期死亡、乳児死亡、幼児死亡)
②死因別死亡(老衰、アルツハイマー、認知症、精神・神経系疾患、急性心筋梗塞、等々)
③死産(自然死産、人口死産)
④奇形(先天性新奇形、先天性停留精巣)
④特別支援学級児童生徒数、学生の精神疾患、精神疾患患者数
⑤運転中の運転中止、事故(数年遅れで激増)
(2)現れ方の特徴
①都道府県別死亡の異常増加の割合は福島県が最大である。
②全都道府県に及ぶ。
⑦諸事にはそれぞれの特有な要因もあろう。2011年を境として急変する共通の要因を探ると「放射能被曝」が最終的に残る。
⑧日本的特徴
東電福島事故に際して、特に日本は、チェルノブイリでは移住が求められた5mSv /年間 以上で20mSv/年間 までの
高汚染地域に100万人規模の農民(漁民も)が生活する。
生活するのに農作をしなければ何の保証も得られない行政が強行された。
その事情で、チェルノブイリでは生産物が排除された5mSv 以上の汚染地での農作物が
日本では全国に拡散され「食べて応援」の支援を受けて、二次被曝を拡大再生産した。
ここでは高汚染地域に留まる者の被曝だけでなく、
全国住民に食べて被曝すなわち内部被曝をさせてしまうシステムが猛威を振るった。
さらに、居住する場所を「除染」する際に出た「除染土壌」も8000ベクレル/㎏まで許されて、
全国の国土を汚染する仕組みが作られた。
上記「現れ方の特徴」で記した異常死亡率が福島で最高であり、かつ全都道府県で異常増が見られた死亡増が語ることは、
内部被曝をこうむって、体力・修復力・免疫力が弱い方々が死亡していることを示唆する。
異常死亡増、異常出産減、等の要因は強い蓋然性をもって「放射能被曝(特に内部被曝)」であると判断する。