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原発事故避難者通信70号≪みんな頑張ろう!みんな事実を知ろう!みんな放射能から命を守ろう!≫

沖縄の「つなごう命の会」の矢ヶ﨑克馬です。 転載拡散自由です。 皆様 ご無沙汰いたしております。 お元気でいらっしゃいますか? 大雨災害で被災された方に心からお見舞い申し上げます。 避難や対応に従事されている方に心から御礼申し上げます。 (1)気になる再汚染 大雨で放射能が強く残留する山林が洗われました。大洪水で「除染」残土を詰めたフレコンバックがかなり流されてしまいました。事故で破壊された原発原子炉からどれほどの放射能が風で拡散され、雨で増水した地下水で流れ出たのでしょう。原爆後の枕崎台風に匹敵する風雨をもたらしました。 残留放射能が軽減されたところがある反面、逆に増強されたところがあるに違いありません。特に、海の汚染が心配です。昨年夏に東北太平洋側で水揚げされたイワシを食べようとしたところ買った全てのイワシの骨が曲がっていたという実話が有ります。長期にわたる汚染があるところへ再汚染がもたらされました。 放射能被曝は確実に命をむしばみます。魚介類の検査体制強化を望みます。  復興作業、日常生活の中で改めて被曝防止の警戒を強めてください。 (2)仕掛けられた被曝強制の罠 「郷土愛に付け込む罠―被曝防護から汚染地に住み続けさせる体制」です。 国際核推進ロビーは被曝を軽減させる「防護」から高汚染地に住み続けさせる「被曝強制」への被曝哲学の逆転を仕掛けました。 最初の人体実験・社会実験が「フクシマ」でした。 これに関して、ICRP新勧告に対するパブリックコメントに投稿しましたので添付してご報告いたします(このテキストをクリック!) 日本では、避難者の皆さんが切り捨てられた状態で9年目を迎えようとしています。 公的に原発事故避難者を支援しているのは、2019年度からは沖縄県のみとなりました。 放射能公害の終焉には少なくとも100年単位で長期にわたる時間が必要です。 チェルノブイリ法ができたのは事故後5年目。何と日本政府はこの年に 「避難者に対する住居の保証」を停止しました。 3.11後に急遽作られた「子ども被災者支援法」には,居住が自らの意思によって決めることができるように支援すると明記されているにも関わらず、日本政府は住居補償を止めて帰還を迫りました(2016年度)。 <<第二条 2 被災者生活支援等施策は、被災者一人一人が第八条第一項の 支援対象地域における居住、他の地域への移動及び移動前の地域への帰還についての選択を自らの意思によって行うことができるよう、被災者がそのいずれを選択した場合であっても適切に支援するものでなければならない。>> 何故このような先例を破る暴政がなされたのでしょうか? それは安倍政治特有な「生きる人間の誠実な心が分からない主権者の人権を踏みにじる無教養・国家腐敗資本主義、天皇制回帰も伴った「戦争のデキル美しい国」造り、卑屈な対米従属・居丈高な旧宗主国的暴政外交」という棄民策が根底にあります。 重要なことは、国際原子力ロビー(IAEA,ICRP,UNSCEAR)が、原発事故に際して、住民の「被曝を防護する」から「長期に続く汚染地域に住民を住み続けさせる」方針へと、国際的な被曝防護指針を180度変換させたことがその背景にあります。郷土を捨てる苦しみを巧みに利用した原発延命策です。 アメリカを中心とする「核抑止力推進体制」が住民保護を放棄することを宣言していたのです。 これが「被曝強制への罠」です。 それはチェルノブイリ事故10年目で開催された「チェルノブイリ事故後10年」と銘打ったIAEAのウィーン会議の方向転換宣言と、IAEA方針を具体化する「ICRP2007年勧告」により根本的に被曝防護が逆転されたことです。 ICRPの示したその方法は、 ①それまで「計画被曝状況」だけであった被曝状況の概念を「計画被曝状況」に 「緊急被曝状況」と「現存被曝状況」を加え3ケースに拡大した。 ②日本国内法でも、世界基準としても確立していた1mSv/年の防護基準は 「計画被曝状況」だけに適用。この線量は線量限度と称して、従来の閾値論に基づく防護線量概念です。 ③「緊急被曝状況」と「現存被曝状況」では「長期に続く汚染地域に住民を住み続けさせる」目的のために20mSv/年~100mSv/年を設定しました。 ④ 住民を保護するのではなく「住み続けさせる」ための線量目標は 「参考レベル(reference revel)」と呼び、防護線量とは異なった使い方をします ⑤ 参考レベルは、「いずれ将来には、この値まで線量を下げる目標値」であり、 それ以上の高線量地域に住み続けさせる線量概念なのです。 線量上限も期限も設定しないものです。 ⑥ この防護しないという方針がそのままフクシマに適用されました。 ⑦ チェルノブイリでは5mSv/年以上の地域は居住禁止でしたが、日本では その地域に100万人規模の人が住み続け、生産もし続けるように強制されました。 ⑧ 福島では汚染地域での汚染された食品生産により日本中に内部被曝という 二次被曝が広がりました。 チェルノブイリではあり得なかった大規模な二次被曝の展開です。 ⑨ 2011年〜2017年までの7年間で27万6千人の死亡者の異常増加が ありました(厚労省人口動態調査の分析結果:矢ヶ﨑分析)。 ⑩ IAEA「チェルノブイリ事故後10年」では「汚染地域に住み続けさせるために 心理学的ケアが必要」としています。 どのように具体化されたかは、皆さんの良く知っている大規模キャンペーンです。 「笑って朗らかにしている家庭には放射能被害は出ない」、 「100mSv以下は安全」、「100ベクレル/kg以下は安全」、 「健康被害は一切無い」などなどが「心理学的サポート」として大宣伝されました。 ⑪ 日本住民の人権が蹴落とされ、犠牲者が隠された物語です。 ⑫ 物語にはこれからの後半が続きます。この棄民政治への怒り、 この犠牲の悲しみ、どうしましょう? 政治を変え、人権と事実を重んじる政治を実現するしかありません。 原発を廃絶することが喫緊の課題です。 みんな頑張りましょう! ⑬ それにしても、人権に基づいた誠実な科学を進める専門家がこれほど少ない国は 他にあるでしょうか? 原子力ムラといいますが、ICRPの委員も、専門家もいます。 誰がこのからくりを事故に際して民衆に注意してくれたでしょうか? 私ども、素人は事故が生じてICRPという組織を知り、それから内容をフォローして、既に執行されていることが如何に無謀かを知る、といった「後追い」・「後手後手」の連続です。やっと全体像が分かるときには、既に大きな被害が生じています。「小児甲状腺がん」をはじめとして、健康被害にはあらゆる角度から「封じ込め(放射能とは関係ない)」の体制が手厚く敷かれているのです。 事実と人権を大切にする、「学問の自由」を主張できる全うな専門家を 養成する必要が有ります。これも作り上げましょう。 それには誠実な主権者の声が必要です。力を合わせましょう。

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