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原発事故避難者通信 第89号 20201021「学術会議会員任命拒否事件について」「トリチウム汚染水海洋放出をやめさせよう!」

皆々様

お元気でいらっしゃいますか?


今回は

(1) 学術会議会員任命拒否事件について

(2) トリチウム汚染水海洋放出をやめさせましょう

に付いてお伝えします。

(1) 前回に引き続き、民主主義を維持できるかどうかの問題として「学術会議会員任命拒否」に付いて手短に述べたいと思います。

(レッドパージ) 菅首相は任命拒否の理由を明確にしておりません。彼が発する口実はことごとく法律違反であり、姿勢として「誠実な市民の語る言葉」を拒否しています。また、任命拒否の姿勢を変えておりません。

これは独裁者の政治手法であり、明白な「レッドパージ」であります。


(当事者は断固として立ち向かわれたし)

明白なレッドパージを受けて学術会議の現会長が菅首相と会談したことが伝えられていますが、「首相の弁としては、今後の学術会議のあり方について協議することを合意した」という趣旨を述べております。

非常に残念な思いでこの記事を読みました。

学術会議としての決議:拒否の理由説明と全員任命、を断固として突きつけてあらゆる妥協を拒否することのみが、レッドパージというファシズムを切り抜ける唯一の手段です。 レッドパージを受けた学術会議が断固としてこれを拒否する姿勢を示さなくて、今の危機的状況を突破することはできません。今回の処置を撤回させてこそ、学問の自由を今後も守ることが可能となります。

当事者が早くもファシズムに妥協して、「忖度」の姿勢を見せるなどもってのほかです。


(国の機関としての意味付け)

是非学術会議の決議どおりの姿勢を貫かれることを切に願います。

さらに過去三人の会長が「国の機関として意味付け」を聞かれて「国機関としての意味を感じない」という趣旨を述べたようです。学者としての意見の表明は国の機関であってもそうでなくとも変わらないという意味で

あると思いますが、ことの本質はそうでないと思います。

「われわれは、文化国家の建設者として、はたまた世界平和の使として、再び戦争の惨禍が到来せざるよう切望するとともに、さきの声明を実現し、科学者としての節操を守るためにも、戦争を目的とする科学の研究

には、今後絶対に従わないというわれわれの固い決意を表明する。」という姿勢を国の機関の姿勢として位置づけ、諮問などを行うことが、国の「戦争をしない」憲法上の姿勢を守る上でとても大切だと考えます。1民

間団体が物を言うのとは大違いです。安倍―菅内閣は「戦争ができる国作り」を、憲法に違反して進めています。

学術会議はこの様な国の策略に乗ることを拒否する姿勢を貫いていただきたいものです。


(政府のいうことを聞く人間だけをピックアップする)

安倍内閣は「内閣人事局」を作ることにより、官僚支配を「内閣に従うかどうか」を尺度として、個別のコントロールをすることにより、「公文書隠滅/ねつ造を官僚機構が行うという支配をモノにしました。菅首相が

官房長官として官僚支配を具体化したと言われます。

学術会議等はこの支配の最後の標的です。

「専門家」として権力の言いなりになる人間だけを集めた集団が「原子力むら」です。他の多くの諮問委員会など「専門家」の選定は大問題です。

日本の学術全域でこのような「学問を売る」「学者」を作ってはなりません。


(民主主義を大切に思う全ての市民は)

当事者の学術会議だけで無く、民主的で戦争をしない日本を望む全ての市民がこの公然と挑まれた「レッドパージ」=「誠実な平和な国の破壊」を拒否することが必要です。

学術会議頑張れ!市民の皆さんも頑張って声を上げましょう。

学術会議の中にあっても、市民としても、ナチスドイツのファシズム時代のレッドパージが行われた経験を語ったマーチン・ニーメラー牧師の言葉をかみしめようではありませんか。

・ナチスが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった 私は共産主義者ではなかったから

・社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった 私は社会民主主義者ではなかったから

・彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった 私は労働組合員ではなかったから

・そして、彼らが私を攻撃したとき 私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった



(2)トリチウムの危険と汚染水の海洋廃棄に付いて

政府は10月中にも東電福島敷地内の汚染タンクの「トリチウム水」を海洋放棄する予定とします。 東電/政府はトリチウムなどが危険であることを承知しています。

ですから、汚染水をタンクに貯蔵しているのです。

口では「危険」と言わず、全ての原発でもトリチウムは垂れ流しっぱなしです。

同時に、事故以来膨大な放射性物質が海洋に垂れ流されたことを忘れたはなりません。近海および広大な太平洋周辺に深厚な汚染をもたらしました。


(実被害の記録)

健康調査や環境調査がなされた所では原発とトリチウムと白血病などの明白な相関が確認できます。

身近な調査では、

「玄海原発と白血病」森永 徹(元純真短期大学・健康科学)

が、明快です。


(地球環境を保つ誠実な政府/市民ならばしてはならない蛮行)

環境倫理としては危険な作用を持つ毒物を意図的に環境に放出することは誠実な立憲民主主義国およびその市民としては、許してはならない野蛮行為と判断します。

「薄めれば良い」、などと言いますが、海ではそうたやすく薄まらない。放射能総量が膨大すぎます。

ドイツキール海洋研究所のシミュレーションでは、

原発周辺を汚染するだけでは無く、親潮、黒潮等の関わりで太平洋に東向きに押し出し、アメリカ西海岸にぶつかり、南北に分かれて再び日本沿岸を襲うことになります。

事実、福島事故で放出されたセシウム137が2016年にはかつて記録したことの無い高濃度汚染をアメリカ西海岸に及ぼしています。

2020年時点では、東シナ海も日本海も瀬戸内海も汚染され尽くしています。

今や日本のどこに居ても、あるいは太平洋のどこに居ても放射能汚染/放射線被曝は免れない状態です。


(風評被害?)

「風評被害」を漁民の皆さんは心配しますが、風評被害ではありません。

確実な実害として放射能汚染が魚介類に及ぼされ、それを食する人々を内部被曝させます。 実害が発生します。


(安全な食材選択は市民の譲れぬ権利)

放射線被曝の恐れがありますから人々はそれを摂取するのを避けるのです。

食材の選択は、食することで命を保つ人間の権利です。

漁民の皆さんにとっては、「売れなくなる」を心配しなくてはならないと同時にあなたとあなたの家族の健康を心配しなければなりません。同時に食する全ての市民の健康を守ることが生産者の倫理です。


(食べて応援)

何故「風評被害」と表現するのでしょうか?

関連して言えば、食べて応援は謬りです。場合によっては命を賭して「応援」するのです。そんな応援は人道上あってはならない応援です。 少なくともリスクの覚悟を伴わないならば、「闇討ち」に相当する「応援」です。

政治の貧困からもたらされる「助け合い」=「犠牲になり合い」、だということを理解する必要があります。


(100mSv以下は安全?―とんでもない!)

「100mSv/kg以下なら安全」では全くありません。放射能は全ての人を傷つけます。低い線量でも危険があることは世界では既に当たり前の事実です。

強い人はピンピンしていても、弱い人は命を落とします。

食料の放射能汚染制限は、「健康上リスクはあります。場合によっては命を失うことがあるかもしれません。でも社会的関係でどうしても流通を許可させねばならない事情があります。皆さん、そのことを承知の上でお召し上がりください。」というべき事柄です。


(放射線被曝の現状)

周囲の人が病気になったり、亡くなったりしています。病気や亡くなる時に、病が「放射能でやられました」と看板を掛けて訪れるのでは決してありません。通常の病名などを持って全て具体的疾病名で病気や死亡原因が既述されますが、それらの原因には放射能が絡まっている可能性があります。そのリスクを増大させることを許してはなりません。悲しいかな、被曝被害を感じても声に出せない現状があります。犠牲が増大します。

玄海町周辺の白血病も「安全に薄めています」の範囲内で生じていることです。

(トリチウムの危険性)

トリチウムの危険は3つの特徴を持ちます。

0.019MeVと少ないエネルギーのベータ崩壊ですので、政府/専門家は安全と言います。これは危険を敢えて隠蔽する発言です。一般的に放射線の危険として知られる電離作用=分子切断は一人前にあり、危険であることは間違いありません。


①(ブラッグ効果) エネルギーが低いので逆に危険度が大きく、ブラッグピークとして知られている「(超)低速粒子は高速粒子より相互作用計数が大きい」のです。エネルギーの高いβ線に比べて単位長さ当たりの電離の数が数倍になります。

局所的に集中した電離の修復は、生命体はその構造上修復が苦手なのです。生体酵素(マクロファージ、白血球・・)は身体中に分布しますが、局所に集中して対処するには、空間的にも時間的にも集中する困難さがあり、修復失敗が生じやすいのです。


②(有機トリチウム) 有機トリチウムと表現しますが、身体の組織と水素結合を通して結び付きます。

その場所で崩壊するとその近辺に集中電離を生じさせます。水素結合は水分子の水素を通じて結合し合うものです。

特にDNAと結びついているトリチウムが危険だと知られます。上記の様に崩壊すると周囲に電離=分子切断をもたらします。また、崩壊すればヘリウムになりますので、ヘリウムは化学結合には参加できません(化学的に安定なことは不活性ガスという名称で知られています)。今まで結合していたDNA組織をその場所で切断してしまいます。有機トリチウムは2重のプロセスでDNAを傷つけます。


③(濃縮効果) 上記の場合、自由水(組織内を自由に行動できる水)が結合水(組織の結合に組み込まれている水)と入れ替わる現象が常時生じています。同じ温度で同じ周囲の環境ならば結合水に落ち込む水分子の数と自由水に出ていく水分子の数が同じ数なのです。これを「詳細平衡」の原理と言います。

ところがトリチウム水が含まれる場合は、トリチウム水が自由水でいて結合水に落ち込むのは、化学的活性度で普通の水と同じ確率なのですが、結合水から自由水に出ていくときにはトリチウム水が重い(湯通の水の3倍)のでそれだけ脱出する確率が減少します。

結果としてトリチウムがその有機結合に濃縮されるのです。

有機結合を通じての危険は濃縮によって増大します。トリチウムはこの濃縮を通じて危険度が上がってしまいます。

同じ原理が、例えば湿度が一定であるとき、液体と気体の詳細平衡でも成り立ちます。たとえば浜辺では、水が打ち寄せ、蒸発していくというプロセスが繰り返されますが、そこでも液体状態でいる確率がトリチウムは大きいのでトリチウム濃度が増大します。浜辺でのトリチウム濃度は上昇して、此処で遊んだり生活したりする人々に対する危険度を上昇させます。

トリチウムは人と海の接触する場で濃度が高く、危険度が高いことになります。

生命体が物質を体内に取り込む時にはその原子の化学的性質により、選択的に吸収します。トリチウムは水という形でいますので、取り込まれるのは少ないのですが、一旦取り込まれると体内では濃縮が進みます。

(汚染水の処理方法)

最後に対処方法ですが、

①そのまま60年間貯蔵するということは一つの考えとして有効だと思います。用地は何としても東電に確保させましょう。 ただしその間に地震などの被害に遭わないように堅固な貯蔵装置が必要でしょう。

この場合は、何としてでも用地を確保させ、安全な貯蔵をさせるべきです。

②最近近畿大学などのチームがアルミニウムの組織形態を利用してトリチウム除去装置を考案しています。お金を掛けてでもトリチウムの強制的排除の方法を手がけるべきだと思います。

いずれにせよ、地球保護の観点からは、放射能の放出というなしてはならぬことを原発は行っています。

今回も一旦貯蔵したトリチウム汚染水を、「溜まりすぎて不都合だから」と、人為的に海洋放出しようとします。東電/政府はあまりにも勝手過ぎます。

明瞭に人を傷つけることを「薄めれば安全」と嘘を言って強行することは許してはなりません。


(民主主義は住民保護)

商売と国の予算の負担になるのならば、生物の健全性、人間の命など、いくらでも切り捨てましょう、という人格権保護の民主主義原理に反する行為を強行するのはファシズムです。

沖縄における米軍基地建設を権力的に強行することや学術会員任命拒否のレッドパージと等しい次元の権力の蛮行であると思います。

市民として、原発産業の都合の良いように犠牲にされるわけにはゆきません。


(署名)

FoE Japanの呼びかけている署名をご紹介します。26日午前7時まで。ぜひご協力ください。 フォーム1)https://pro.form-mailer.jp/fms/62f8c997208969 フォーム2)https://forms.gle/iFzGMWutM76PptTGA

矢ヶ﨑克馬(2020/10/20)


稼働原発のトリチウムによる白血病(6分動画)→ https://www.facebook.com/tsunagouinochi/videos/1485167738293442

トリチウムによる白血病。玄海原発周辺での白血病での死亡率。事故云々ではない「原発をただ稼働する事自体が放射能汚染」の拡散。事故以前の問題!そのトリチウムは「湿度」にさえ紛れ込み健康被害影響を及ぼしている。(プレゼンで示す赤いポインターに目を凝らして見て下さい)

2018年10月4日「第22回矢ヶ崎先生ゆんたく学習会」全編動画→ https://youtu.be/RHZL46s3zP4

からの切り出し6分動画です。


 

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