第127回原発事故避難者通信―戦後日本国民はどのように作られてきたか?
皆々様お元気でいらっしゃいますか?
この間2~3回のご連絡はさせていただきましたが、「通信」としては久し振りです。
(1)つなごう命の会定例学習会のしらせ。今週土曜日です。ご参加下さい。
第58回 つなごう命の会定例学習会
テーマ
ICRPを批判し新しい防護体系を打ち立てよう
―科学的にも哲学的にもICRPを乗り越えようー
(3)科学の表記方法「因果律」を破って何がもたらされたか?
7月22日(土)16:00~約2時間
ご興味のある方は是非ご参加ください。
ZOOM URL パスワード等
https://us04web.zoom.us/j/7718813361?pwd=UllnS21xQWRYOXRLNlZKNFRxN08xQT09
ミーティングID: 771 881 3361
パスコード: D8R2Lt
ご参加予定の方は必ず事前に
<phoenix.pmyⒶgmail.com>
までご連絡ください。(Ⓐを@にご変更ください)
(2)一番大事なこと・戦後日本国民はどのように作られて来たのか?
前回の126号は「あなたの命と尊厳を守る祖国をあなたはお持ちですか?⇒日本を変えよう」と題して、戦後講和条約を結ぶと称してアメリカの反共防波堤と日本を位置づけ、徹底したアメリカの傀儡政権として国際信義に反する卑屈な「日本国」を宣言。吉田茂首相のみが認識し、他の日本国民には秘密裏に置いた「日米安保条約」。吉田が単独署名を行なって、沖縄などの米軍の継続統治に道を開いた体制をスタートさせましたが、残念ながらの日本の戦後の「屈辱」の歴史の開幕で有ったことを振り返りました。
日米安保条約は日本法律を超える治外法権を認める屈辱条約。屈辱と認識しない日本政府の屈辱姿勢。当然、自民党などにとっての生き方は「平和憲法」は目の上のたんこぶ、如何に換骨奪胎して「戦争の出来る美しい国」の実現に向かうか?
この世界観は自民党「改憲草案」を見れば明瞭です。今や自民党は天皇を国家元首にして富国強兵を支えた旧家族制度を根本に据えて、ジェンダーもLGBTQ:性的マイノリティーも「人権?なんだそれは?」。 全て切り伏せて行く構えであるようにおもいます。
彼ら戦略的目的意識の中で最も犠牲になってきたのが、「主権者の育成」です。
(3)日本国民は正当に主権者としての素養を教育されたか?
矢ヶ﨑は「主権を持った国の市民が民主的社会に生きる3要素」(主権者の主権者たる社会活動的要素)を次のように見ています。
① ありのままをきちんと見ることができる、
② 自分で考えることができる、
③ 自分の考えに基づいて行動できる、 ことを要件とします。
そのためには自然と社会についてと民主主義のルールについてしっかり学習し基本的知識を身につけなければなりません。 きちんと見て、しっかり考えて、 自分なりに行動できる人。 この様な民主社会の主人公が公教育を通じて養成されたであろうか?否、逆です。明治憲法と間違えるような自民党の改憲草案に象徴化される国家主義の「教育」ならぬ「しつけ訓練」だったのです。 また、 日本国憲法は基本的人権を土台に作られています。 憲法12条には次のように規定されている 第12条〔個人の尊重と公共の福祉〕この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。 国民は国の主権者であり憲法で保障される自由と権利を健全な方法で憲法の理念に沿って体得するために不断の努力をしなければならない。 子どもたちが近代教育の理念に沿って、文字通りの教育を受ける主人公として、一人一人の発達・一人一人の素質が能力として開花されるべき主人公として捉えられてきたのであろうか? 自民党の「戦後政治の総決算」の大目標の中で「教育」は国家主義の「しつけ(従属訓練)」に置き換えられたのである。公教育を通じて「国の主権者の素養が」が破壊され、しつけが教育に取って代わったのでした。 彼らの近代的教育理念破壊は執拗で権力的に継続して押しつけられてきました。 その歴史を振り返ろう。 1958 年 学習指導要領「国旗を掲揚し君が代を斉唱 望ましい 1977 文科省 「君が代」を「国歌」と改める 1983 学術会議法改定 選挙制を廃止(中曽根内閣) 1988 国旗を掲揚し国家を斉唱することを明確にする国を愛する心を育てる 公立小中学校式典に「日の丸」「君が代」強制 新制大学「教員養成課程」に「教育原理」廃止 1991 教養部解体 1994 東京都石原知事 「日の丸」「君が代」強制、「内心自由・・」で 教諭処分 1998 21世紀の大学像と今後の改革方策について 「人格涵養」は一切無く全てが「人材育成」に 「入学者に付加価値を付ける」<学生は学ぶ主体では無く工業生産物同様> 1999 大学法人化 閣議決定(小泉内閣) 1999 「国旗・日の丸、国歌・君が代」法制化 2004 大学法人移行株式会社化・大学自治の形骸化 2004 日本学術会議法 任命制に変える(小泉内閣) 1959 2008 大阪府「君が代」条例 職員基本条例3度の不起立で免職
この間教育費はGDP比でOECD32ヶ国中ビリから8番目の4.0%(2021年)であり、 https://reseed.resemom.jp/article/2021/09/17/2302.html さらに、1クラスの人数規模は、日本の平均は小学校が27人、中学校が32人で、OECD加盟国中、チリに次いで最悪でした。chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/029/shiryo/05061101/003.pdf 「上の者の言うことを素直に聞きなさい」、「納得してもしなくともきちんと覚えなければ競走に勝てません」という従属教育のためには規模の小さい教室で個別指導が出来る「個人に焦点が当てられる教育実践」はもっての外なのです。 (4)恐ろしい文科相以下公立学校の生徒管理―管理教育がここまで生徒の人格を破壊している。 児童の自殺数調査に於いて、文科省には検察庁調査の約半分しか報告が来ないのです。恐るべき管理教育が児童生徒の死を賭した訴え自体を無視して、「問題行為はありませんでした」の報告をやりとりしてきたのです。 以下は文科省HPに載る: 児童生徒の自殺者数 1.文部科学省「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」

(注1)調査対象は公立小・中・高等学校
(注2)各年度のデータは4月1日~翌年3月31日間のもの
2.警察庁調査による自殺者数

(注1)調査対象は国・公・私立小・中・高等学校 (注2)各年のデータは1月1日~12月31日間のもの
総数の差(検察庁(100%)―文科省(89%)=11%の国立私立生徒の自殺数総数の差

何と11%の児童生徒の母数しかない国立私立の自殺者数が文科省検査の人口母体89%を占める「公立」を凌駕するのです。 一人一人の基本的人権を元にした教育体系を取り戻さねば日本は滅びます。富国強兵には都合の良いことでしょう? 一人一人が大切にされる{児童一人一人の「あなたらしさの個性」が認められ、位置づけられる}教育が放棄されて、過度に競争的環境下に置かれた子どもたちは、今自分の居場所さえ失った人々の悲痛な声を代弁し、犯罪にも反映して現れているように想います。 社会の主人公たる位置づけで恰も「教育」など受けたことのないような人々のシステム的に「落ちこぼれを制度化し」、上からの言うことを聞いて生きるしか活きようのない人々の声が社会への挑発的な犯行として反映していると指摘する声もあります。 国家主義的「富国強兵」の国民作りの犠牲者をこれ以上増やしてはなりません。 日本国の主権者にとっての一番深刻な「人格破壊的育成」結果は、 今あらゆる側面で憲法を変え、戦争が出来る国にし、エネルギー問題も絡めて原発が回帰される、等々で現れている 全面的国家主義・悪政の支持母体の「選挙民」に仕立て上げられようとしています。 トリチウム汚染水が海洋投棄されようとしています。 これ以上「主権者」を冒涜する似而非「教育」を許してはなりません。 主権者のための教育を取り戻すことは今最大の課題です。 子どもたちの為、否、我々自身の為、本質的な日本人の尊厳を守る為に頑張りましょう。 矢ヶ﨑克馬
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