第114回 原発事故避難者通信 ー よく考えて、主権者の「正道」を行く行動で!
お元気でお過ごしでしょうか? BCCで失礼します。
最も民主的自由が保障されるべき選挙中に起きたテロ行為に満身の怒りを込めて抗議する。
本日奈良市で安倍元首相が銃撃を受け、お亡くなりになった。
心から哀悼の意を表する。
この様なテロ行為は日本国憲法に保障された自由と民主主義を根本から破壊するものである。
最も言論の自由が保障されなければならない時に引き起こされたこの蛮行を満身の怒りを込めて非難する。
2度とこのようなテロを許してはならない。
どのような恨みがあったのか?
「総理大臣として成した数々のルール違反」への怒り、「人権を無視された」怒り、「三権分立を破壊された」怒り、「生存権を脅かされた」怒り、「労働条件が悪化された」怒り、「平和憲法を破壊される」怒り、「日本を戦争の出来る“美しい国”とする」軍事化への怒り、様々あるかもしれない。
しかし、しっかり考えることにより、正道を行く行動として人道に基づいて発揮されなければなりません。
日本の改革は主権者の地道で誠実な行為により集合されなければなりません。
今、私たちは、何をしっかり考えなければならないのか?
その最大の問題は我々「人間生存の安全保障」である。
経済的にも、社会的にも、平和達成の上でも。
「武力の弱い国ならば侵略受ける可能性が大となる」、「軍備増大こそ住民の安全策だ!」、「平和憲法など平和の役に立たない」との声が大きく響く。
果たしてそうであろうか?
岸田内閣は、現在の軍事費5・4兆円の2倍化=「国内総生産(GDP)比2%」への増加を公約し、優れた正面装備品(艦艇、航空機)の増強・大軍拡を意図する。
これのとばっちりを受けて、物価高対策、コロナ対策、消費税減税、等々、コロナで痛めつけられた生活改善が遠のく。
憲法改正、9条の換骨奪胎が、
自民、公明の与党に日本維新の会と国民民主を加えて進められようとしている。 戦争犠牲を全く忘れ去る「核共有」。
核兵器禁止条約の締約国会議が持たれる中で戦争被爆国日本の政府はオブザーバー参加も行わない。
既に防衛省・自衛隊は、海洋進出を強める中国が自らの勢力圏確保の目標として設定する「第1列島線」(九州・沖縄から台湾、フィリピンなどをつなぐ線)上にある南西諸島に、対空・対艦ミサイル網の構築を急いでいる。
第2次大戦末期の沖縄戦の犠牲傷の癒えない沖縄の住民を再び戦火の危機に立たせている。
ロシアの侵略を受けてウクライナ市民の生存権が目の前で脅かされていることを絶好の口実とする。
国連憲章が、前文では「人間生存の安全保障を達成する」ことを謳いながら、 憲章の内容は「国家の安全保障」の具体的措置に留まる。人間生存の安全保障は根本的に「国家の安全保障」では達成されない。国家の安全保障は武力主義を取る限り住民生存の安全保障を保障しない。国家構造を分析的に捉えて、前文で謳う「人間生存の安全保障」を直接的に位置づけるべきである。
国連憲章は大きな欠陥を持つ。
国連憲章は、武力行使の発生する以前は、全力を挙げて調停/調整/外交を謳うが、 いったん武力行使が始ると一切調停機能を謳わず、自衛権による武力行使を肯定する。
現在の武力はミサイル、空爆等大規模破壊手段だ。 戦闘を続ける限り住民の生存権が破壊される。
人間生存の安全保障を第一に位置づけるならば、武力行使が始っても一刻も早く停戦協定を締結するように全国連加盟国が外交的に調停機能を発揮し、侵略的武力行使の停戦を協議させるべきなのだ。
敵対的関係国の制裁ではロシアを対岸に追いやり、ロシアの「停戦判断」を待つしか打つ手が無い。
米英NATOの軍事支援を得てウクライナ政府は徹底抗戦を叫ぶが、米政府が言明するように「2度と楯突くことが出来ないように徹底してロシアの国力を奪う」戦略が公然と実施される。
ウクライナへの武器供与と抵抗武力行使を長引かせる。
住民の生存権の安全保障は皆無の「自衛権行使」となっているのが現実だ。
斯くしてロシア侵略が長引けば長引くほどウクライナの住民虐殺と街の破壊が進む。
侵略の武力行使とともに武力的な自衛戦争も止めなければ人間生存の安全保障が保障されない。 国家主権を保持しながら平和に寄与する交渉・調整・調停・妥協は一刻も早くするべきである。
この二の舞を踏む虞が巨大なのは、台湾問題に関する日本の米国核の傘の下に進める武力主義である。武力配備(敵基地攻撃能力(反撃能力)ミサイル配備)が台湾近くに位置する南西諸島へのミサイル配置が進む。紛争時の第1標的となる。
全ての武力行使は大量破壊兵器で戦われるので、直結して住民生存の安全を破壊する。
「戦闘をしない、戦争を放棄する」のが平和への最大の住民生存の安全保障である。
侵略の口実を与えない9条の精神を生かした平和外交しかあり得ない。これが最大の日本住民生存の安全保障である。
日本だけではない、世界住民生存の安全保障である。
憲法改悪の危険は迫っている。改憲勢力を伸ばさないことが肝要だ。
自民党の憲法改正草案では「国家の未来を切り開く教育」が謳われる。
教育 3
国 は 、 教 育 が 国 の 未 来 を 切 り 拓 ひ ら く 上 で 欠 く こ と の で き な い も の で あ る こ と に 鑑 み 、 教 育 環 境 の 整 備 に 努 め な け れ ば な ら な い
基本的人権に基づく教育が「国の未来を切り開く」 即ち明治憲法と同様な国家主義教育が位置づけられようとしている。
第 二 十 四 条
家 族 は 、 社 会 の 自 然 か つ 基 礎 的 な 単 位 と し て 、 尊 重 さ れ る 。 家 族 は 、互 い に 助 け 合 わ な け れ ば な ら な い 。
家族制度が強調され、ジェンダー問題、同性婚、その他の人権問題が国家的家族主義の下に踏み砕かれようとする。
自民党改憲案では、天皇が元首となり、国旗と国歌が憲法に定められ、9条2項に国防軍規定が設けられる。緊急事態条項が盛り込まれる。明治憲法への逆戻り改正案が満載である。基本的人権が実質的に国家主義に蹂躙される。
明後日に迫った参院選投票日を前に、身近に迫った危険を感知しています。
そこに私たち主権者同士の今一度考えて欲しい願いがあります。
矢ヶ﨑克馬 (2022/7/8)
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