第117号 原発事故避難者通信 誠実な政治とは?―新たな戦争の惨禍が迫る中での沖縄県知事選挙に際して思うー
第117号 原発事故避難者通信 誠実な政治とは? ―新たな戦争の惨禍が迫る中での沖縄県知事選挙に際して思うー 皆々様 おはようございます。 お元気でいらっしゃいますか? 「つなごう命の会」の避難者通信でお邪魔しております。 当会は原発事故で避難してきた者と迎える立場の者が「放射能公害避難者に人権の光を」スローガンに支え合って生きている会です。 (翁長さん・玉城さん有り難うございました) 2011年に東電福島事故が生じましたが、現在未だ「原子力緊急事態宣言」は解除されていません。 2016年には、安倍内閣により全国一斉に都道府県毎に設けられた「東日本大震災支援協力会議」が終了させられる中で、沖縄県は2017年から2年間の避難者に対する住宅支援事業を実施して下さいました。その上、2年目は、翁長雄志元知事がお亡くなりになる直前でしたが、知事「肝いり」で、半額にする予定だった支援額を1年目と同額支給を決定して下さいました。 翁長県政を引き継いだ玉城デニー知事は選挙公約に「避難者支援」を掲げて下さり、その公約は、2019~2020年に「避難者生活再建支援」として具体化されました。この期間にこの支援をしたのは全国都道府県の中、唯一玉城知事の沖縄県だけでした。どれほど避難者は励まされ、心強く思ったかは計り知れません。感謝!です。 この取り組みの5年間、つなごう命の会は沖縄県、県議会に資料を持って合せて37回の陳情行動を行いました。 (こんなに誠実な県政は見たことが無い) 4年間経って、玉城氏の公約291施策中287施策が推進された(98.6%)ということです。子どもの貧困対策が光ります。子ども基金の60億円の積み増し、中学生までの医療費無料化、低所得仮定のバス無料化、少人数学級の拡大、特別支援学校の解説、ヤングケアラーの実態調査など枚挙に遑がない程です。この誠実な政治姿勢は抜群です。 県民の基本的人権を守る揺るぎない思想があって、辺野古米軍基地建設の反対、日米地位協定の改定への粘り強い取り組みが位置づけられます。 票をかすめ取るだけの目的で、辺野古容認が唯一の解決策だとか、あるいは本当の目的は他にあるのに、「辺野古反対」をいうような人とは質的に異なります。 票のための言葉では無く、真実を語る姿勢のみが「平和で豊かな沖縄」を約束するのです。 (主権を放棄し、主権者を欺し、アメリカの傀儡となる政治が沖縄住民を苦しめてきた) これに対して自民党政治はどうだったでしょうか?日本政府がアメリカの反共傀儡政権としてサンフランシスコ条約(片面桑条約)を結び、吉田茂首相(当時)以外の誰一人の日本人が知らない状況の下に、吉田ただ一人の署名により、「日米安保条約」が結ばれ、屈辱的日米地位協定が発足しました。南西諸島が「反共不沈空母」と位置づけられ米軍支配を許す主権放棄が行われました。 沖縄県民の主権主張の頑張りで「復帰」いたしましたが、復帰に際しましても数々の「秘密協定」「密約」!うわべと違い主権者住民を「その場凌ぎで欺して」、選挙では「票さえいただけば後は野となれ山となれ」のような不誠実な政治が現実となりました。事実、「辺野古米軍基地建設」に道を開いた仲井真前々知事は県民への裏切り行為としてこれを行ったのです。 また、米軍関係者の反社会的行為も県民を苛んでいます。一例として、貴重な自然遺産に対しても、北部訓練基地返還が合意されていますが、訓練での不要物放置だけで無く、他の米軍基地内の放射性廃棄物のゴミ捨て場ともしていたことが判明しています。 (誇り高く主権を実施し、主権者県民の意思に基づく県政を) 憲法に則る誠実な政治を取り戻そう。子孫に顔向けできない米国の卑しい傀儡政治とこれを迎合する県政への復帰では無く,また、明治憲法への復帰では無く、現憲法を誇り高く掲げる社会、胸を張って主権国であるといえる、人間の誇りと一体となった,自分の誇り/沖縄の誇りと合体した、「祖国」と呼べる日本・沖縄を、「平和で豊かな沖縄」として取り戻すことが今の課題です。 (勝共連合=統一教会と野合した政治) 安倍元首相が暴漢に襲われてから、集団結婚や霊感商法で社会的違法行為の数々を働いた旧統一教会(=勝共連合)と自民党などとの関わりがやっと報道されました。 統一教会=勝共連合(共産主義に勝利するための国際連盟)の話をする時にはアメリカの CIA の日本の裏の政治支配ネットを語らねばならなりません。属国に当たる国等の属国側の米政治執行者のことを「strong man」と呼ぶそうですが、文鮮明、岸信介、笹川良一(CIA エージェント)、安倍晋三らがそれだったようです。 ケネディーライシャワー路線が定着し始めた頃、1968年に岸信介と文鮮明が協力して勝共連合を作りました(日本初代会長は「統一教会」会長:「美しい国・日本の使命」を標榜)。最初の統一教会の日本支部の住所は岸信介宅(渋谷区南平台)でした。それ以来,岸信介、安倍晋太郎、安倍晋三と親子3代にわたって統一教会=勝共連合の政界窓口が受け継がれ、組織的には自民党清和会(安倍派)が直接関わるようになっていました。安倍氏が旧統一教会の選挙票の配分を取り仕切っていたことも諸証言で明らかです。現在判明しただけで、与党だけでなく野党も含めて国会議員112人が旧統一教会に関わっていると言います(日刊ゲンダイ)。 今回の知事選3候補者のうち2人(SとS)は旧統一教会系関連組織と関係を報道されています。その一人は「日本会議(美しい国(明治憲法下の日本)の再建)」の会員です。 基本的人権をないがしろにする世界観で主権者を「票」としか見ない闇取引をする政治に沖縄県を委ねることは、命を抱えた県民と子孫にとって許しがたいことです。 (勝共連合との癒着の実態は?) 一連の情報の中で,闇の世界の本質を一番鋭く突いている記事は次のものでした。 霊感商法などで多くの逮捕者を出した 「2009年の『新世』事件後、統一教会の責任者が、自分たちの機関誌の中で何と言ったか。 『こういう違法な行為を今後行わないようにする』と言ったのではないんです。 『私たちの反省』としてあげたのは、『政治家とのつながりが弱かったから警察の摘発を受けた』と。『今後は、政治家と一生懸命つながっていかなきゃいけない』と言明したという記事(渡辺弘弁護士談)だった。 まさに「つながることによって旧統一教会がメリットを受ける」関係が自民党安倍派(清和会)を中心に日本政治に“定着”していたのです。 憲法改悪:明治憲法復活を目指す内容:まで一致している自民党と旧統一教会です(女性の権利、性的マイノリティーの権利、その他基本的人権が「美しい健全家庭」の名の下に封殺される世界の再現を夢見ているのです)。 思う存分の便宜取り計らい、権力行使、裏金取引、違法な組織的人員的労力提供等々何でもありでした。 そういう関係を相互に求めて日本の傀儡ぶりと権力政治の闇を深めたのでした。しかもそれが日本政治の主流であることが特に深刻です。 安倍氏は民主主義の上で大切にしている決まりを無視して、内閣の政治意図を「閣議決定」だけで処理するという政治の私物化を制度化しました。首相としての「無法」を虚偽の証拠を作らせて記録自体の改ざんを企み、自身でも多数回の「うそ」を国会で答弁したと言われます。「内閣人事局」の設置等々を通じて三権分立の破壊が企図されました。 (新たな「戦争の惨禍」の危険迫る) 県民は沖縄戦の惨禍を受けています。 新たな米軍基地を辺野古に設けることは、米軍の世界戦略に従って南西諸島に「敵基地攻撃能力」ミサイルを配備し、「新たな戦争の惨禍を準備する」ことと一体です。 武力は必ず住民犠牲を伴います。 武力整備の故に北朝鮮や台湾紛争に巻き込まれる危険が増大します。再びの戦争の惨禍は絶対回避しなければなりません。 そのための第1は新たな米軍基地の開設を拒否する民意を貫くことです。アメリカに追随して武力増強/集団自衛権行使は真っ先に沖縄県民を危険にさらすものです。 政治を私物化し選挙を支配の道具にしてきたことに対する怒りはいくらでも出てきます。 私たちは「主権者として主権者のための政治」を取り戻す整然とした行為で主権を行使しましょう。平和と生活を守る本心を確信持って発揮いたしましょう。 矢ヶ﨑克馬 (つなごう命の会 2022年8月29日)
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