避難者通信第122号 新しい戦前・人権と主権を如何に守るか(2022年12月31日)
皆々様 お元気で いらっしゃいますか。 今年も大晦日を残すだけとなりました。 本年を振り返るとロシアのウクライナ侵略という大事件があり、未だに戦闘が系継続しております。 知的退廃を許してはならない これを口実に岸田内閣による大軍拡が進められようとしています。 自衛隊が完全に米軍指揮下に置かれる(傀儡国家ではあるまいに)という「海外で戦争ができる」軍事力主義が向き出しで準備が進んでいます。憲法の実質的改悪が「閣議決定」だけでなされるという、立憲民主主義とそのプロセスの破壊という暴挙を伴う挑戦です。 新しい戦争準備の宣戦布告がなされた様な状態です。 南西諸島には既に「敵基地破壊能力」のミサイルが配備されています。再び沖縄戦の惨禍が「予約」されてしまいました。沖縄県民はじめ大多数の日本住民は「NO」です。 来る年を「戦争準備」を進める「新しい戦前」にしてはいけないでしょう。 時代と人間の意識を第2次世界大戦前夜に引き戻してはなりません。 侵略と侵略を武力で対抗するという武力主義の世界を再現してはなりません。 これこそ知性の退廃です。モラルの崩壊です。 国連憲章前文にも「2度と戦争の惨禍を市民にあじあわせない」ことが高らかに宣言されています。「人間存在の安全保障」が謳われています。 人類の英知は「人間存在の安全保障」を求めています。ところが現実はそうはいっていません。戦争を求める経済権力・政治権力が、覇権と利益の武力主義を駆動させています。 このことについては改めて新年になってから意見を述べたいと思います。 侵略戦争で日本人並びにアジア人を2000万も殺戮致しました。私たちは日本人の責任として平和を守り、二度と戦争の惨禍を日本と世界の住民に与えないと決意をしました。主権在民の新憲法で憲法9条を誇り高く掲げました。 大多数の日本住民はこのことを心の隅に深く刻んでいます。 来年は積極的に世界の平和を外交交渉により展開できる国を取り戻していきましょう。人類の英知が成り立つ世界にしたいと思います。 東電原発事故から12年過ぎるところとなりました。 東電事故の犠牲は想像を絶する惨状だ 東電事故の放射線被曝による健康被害についてまさにびっくり仰天の過酷被害が見えてきました。 厚労省の「人口動態調査」のデータを分析しました(矢ヶ﨑克馬、小柴信子)。粗死亡率、年齢調整死亡率、性別年齢別死亡率を調べました。 今まで年々の死亡率(粗死亡率)は2010年以前のトレドに比較して9年間で10万人程度の過剰死亡被害が出ている(これでも巨大被害!)と言う認識でした。ところが年齢別死亡率を調査した結果は、長寿化した人々と短命化した人々がそれぞれ大量に確認されました。 2010年以前のトレンドに比較して次の様な死亡者増減(2011年~2019年の9年間)がありました。 ① 死亡率の減少群―主として20才~59才までの青年/壮年層を中心に死亡率の減少(長寿化)が認められ、その数は56万人 ② 死亡率の増加群―19才以下の幼少年層と60才以上の老年層を中心に63万人 ③ 全体としてみれば差し引き7万人の死亡率増加:これは見せかけの増加。 この様な死亡率の変化は、①2011年で突然増加している、②その後一貫して増えている、③長寿化群と短命化群が同時に生じている、等の特徴から、原発事故による放射線被曝による被害が第一に考えられます。 高汚染地域に住民が生産活動をしながら居住するという日本独特の被曝被害が重要な鍵を握るところとなります。 さらに原子力ムラが政治的、「科学」的に構築してきた「被曝リスク」より大規模にして巨大な被害が現出しているものと思われます。 放射線被曝を巡る法体系が瓦解した日が「3.11」なのです。 「人口動態調査」分析:詳しくは下記のURLをご覧ください。 https://phoenixpmy.wixsite.com/houshanou-kougai/%E7%9F%A2%E3%83%B6%EF%A8%91%E5%85%8B%E9%A6%AC2022%E5%B9%B4%E6%9C%80%E6%96%B0%E9%87%8D%E8%A6%81%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E7%99%BA%E8%A1%A8-%E7%89%B9%E8%A8%AD%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8
お知らせ つなごう命の会学習会 つなごう命の会 ZOOM 学習会開催!(通算 第55回) 2023年1月21日(土)16:00~ https://www.facebook.com/events/677811627383798/ 講師:矢ヶ﨑 克馬 テーマ:被曝における人権を考える 内容:内部被曝に焦点を当て、学習会をします。 今回調査した死亡率の深刻さを引き続きお話します。 ① *国際放射線防護における本流と逆流* 人類の英知を反映した放射線被曝の危険認識の深化とIAEAおよびICRPにおける「功利主義」の深化による逆流。その歴史を紹介致します。 ② *被曝防護の法体系が瓦解した日:3.11* 一連の被曝防護の法令が「原発炉心メルトダウン」を口実に瓦解した恐ろしき日本政治。被曝防護における人権は事故影響の巨大さと国策と核産業維持の功利主義の故に放棄された。現に進もうとしている岸田内閣による憲法と民主主義で必須の決定までのプロセスに関するルールを完全に踏みにじる「米軍指令下における敵基地攻撃能力確保の軍拡」も放射線防護の法体系を瓦解させた方法論に一致するものです。 その辺の事情を明快に解説します。
京都市の来年度予算で保育予算が13億円削減されます。保育園を守るための署名活動にご協力ください。 どうか署名をお願いいたします https://chng.it/RGThvhZL 子どもたちにもう一人保育士を!子どもを守りたい保護者の会in京都 避難者訴訟「いわき訴訟」支援の署名にご協力ください。 2022年6月17日、東京電力福島第一原発の事故で避難した住民らが国に損害賠償を求めた4件の訴訟に対して最高裁判所は、国の法的責任を否定する不当判決を出しました。 この判決は「今後は、国が想定した以上の大きな地震・津波が来ても、国にも電力会社にも責任はないので国民は受忍せよ」と言っているに等しいものです。 この判決後初のいわき訴訟仙台高裁に対する要請書です。ご協力ください。 https://www.kanzen-baisho.com/single-post/%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%A2%E3%82%A2%E3%83%95%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%9E%E3%80%8C%E3%81%84%E3%82%8F%E3%81%8D%E5%B8%82%E6%B0%91%E8%A8%B4%E8%A8%9F%E3%80%8D-%E9%AB%98%E8%A3%81%E5%88%A4%E6%B1%BA%E5%85%AC%E6%AD%A3%E5%88%A4%E6%B1%BA%E7%BD%B2%E5%90%8D%E3%81%8A%E9%A1%98%E3%81%84 -------- つなごう命の会 矢ヶ﨑克馬 (2022年12月31日)
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