避難者通信第133号 原発事故に際し住民は如何に守られたか?
住民は如何に守られたか?
180度違う国・医師・専門家集団の姿勢
チェルノブイリ事故と東電事故を比較する
矢ヶ﨑克馬 82023/12/6
皆々様 お元気でお過ごしでいらっしゃいますか?
(拡散自由)
今世界では武力により凄まじい殺戮が行われ、その画像が茶の間を襲っています。第2次大戦後培われてきた平和の文化が根こそぎ武力主義の文化に置き換えられようとしています。特に日本で。
皆さん、東電事故ではもっと大規模な殺戮が放射能被曝によって行われたことをご存じですか?
原爆投下以来、米国は被曝被害の隠蔽と被曝を強制する情報操作「知られざる核戦争(矢ヶ﨑命名)」を行ってきました。特にチェルノブイリ事故後の国際原子力ロビーの「放射線から住民を防護せず」への開き直りは激烈でした。1996年のIAEA会議「チェルノブイリ事故後10年」、それを請けてのICRP2007年勧告は世界の被曝防護基準を放射能から「住民を護らない」路線へと転換させました。
東電事故後、あらゆる被曝被害が隠蔽され、さらに原発回帰、汚染水海洋投棄等々、歴史上最も熾烈な「知られざる核戦争」が展開されています。市民の命を守るべき医師団には、恰も国家的な「731部隊」あるいは「ABCC(現放影研)」が再現したかのような幻覚をさえ与える「住民を欺し抑圧する覇権主義(帝国主義)的対応」が広がりました。
「事実をあるがままに認識することは民主主義の土台である」。
我々は基本的人権を基盤とする社会の主権者として事実を知ることが必要です。
東電事故後に展開された「知られざる核戦争」をチェルノブイリと比較することによりあからさまにしました。
乞うご確認。
特徴を先ず整理すると
① 地元(ロシア、ベラルーシ、ウクライナ)の医師、政治家、専門家が住民を被曝から守るために結束した。これに対し東電事故では、国と原子力ムラの圧倒的声が支配して、医師、専門家、政治家が被曝被害を否定し、住民を押さえつけることに徹した。
② 「チェルノブイリ法」は基本的人権の保護を明記し、国力上げて被災者救済に当たることを宣言し、極めて具体的な防護・保護基準を示した。それに対し日本では「子ども被災者保護法」を成立させたが、一切の基準、一切の具体策無しであった。施策は内閣の判断に一任されたために安倍内閣によって全て反故にされた。
③ チェルノブイリでは1mSv/年から具体的な保護が展開されたが、日本ではいきなり20mSv/年(チェルノブイリ方式で内部被曝を入れると34mSv/年)であり、20mSv/年適用外の全ての地域で適用されるべき1mSv/年(法律基準)が守られていない(現在進行形)。
④ チェルノブイリでは医師/専門家によって、5000通を超える健康被害に関するレポートがスラブ語等により記述されたが、日本ではほとんど無く、せいぜい数十通に留まる。
⑤ チェルノブイリでは自主避難者も強制避難者も全て平等に扱われ、手厚い国家的保護を受けた。日本では目を疑うような差別扱いである(現在進行形)。
⑥ チェルノブイリでは「廃炉」と「生態学的安全」が謳われ、石棺が施されたが、日本では廃炉の方針がとられ、空にも海にも放射能が漏れっぱなしの歴史が続いている。デブリは1gも取り出せていない(現在進行形)。
⑦ 犠牲者はチェルノブイリでは9000人(2006年現在)と言われたが、日本では、厚労相の人口動態調査データを分析した(矢ヶ﨑、小柴)結果、年令別死亡率の集計として2011年以降63万人の死亡者の異常増加が認められた(2019年まで)。
⑧ チェルノブイリでは年間5mSv以上の地域を『居住禁止』としたが日本では20mSv/年(チェルノブイリ方式で内部被曝を入れると34mSv/年)であり、日本では汚染地域での食料の大量生産があり、日本全国で内部被曝の二次被害が生じた(現在進行形)。
等々です。
比較表をご覧ください。 「願わくは放射能被曝から住民の命を守る医療と政治の展開を!」

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